リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

桑名六華苑コンサート

2009年10月25日 16時55分51秒 | 音楽系
今日は六華苑で無料ソロコンサート。六華苑で今年は4回行うシリーズコンサートの第3回目です。プログラムはリサイタルの曲目と重ならないように、フレンチとジャパニーズ(笑)で組んでみました。

フレンチは、ゴーティエの作品から何曲か。秋まっただなかで、少し曇り気味の日には、彼の作品がよく合う感じがしました。ジャパニーズは、伊福部昭のファンタジアと自作のザ・ナイトフライト(夜間飛行)を演奏しました。リュート界と作曲界の大家のあとに自作をあつかましくも持ってくることは多少気が引けましたが、まぁ軽い曲でシメということで。

このプログラムで1時と3時の2回演奏しましたが、自分でやっていて、私の作品はいうに及ばずゴーティエまでも伊福部作品にくわれてしまった、という感じが残りました。10分程のこの作品、こういうところでやるには少々重すぎるかと思いましたが、重文の洋館の雰囲気と秋の季節にぴったりで、聴衆のみなさんにじっくりと聴いて頂くことができました。

この作品はほとんど知られていませんが、(ある方を通じて伊福部氏の遺族の方に演奏の許可をお願いしたときに、ご遺族はこの曲が弾かれるのは極めて珍しいとおっしゃっていましたとのことでした)よく練られたバロックリュートの技法で書かれた、伊福部昭の魅力が一杯の傑作だと思います。この曲がどっかの出版社から出版されるといいんですけどねぇ。

六華苑のコンサートシリーズ次回は11月8日で、ギターの山田陽介とフルートの舟橋諭美によるコンサートです。