リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

アンサンブル・コンチェルターツィオ

2010年05月06日 10時57分11秒 | 音楽系
昨日は愛知県春日井市の文化フォーラム春日井・視聴覚ホールで、高橋弘治(チェロ)、加藤佳代子(ソプラノ)、岡田龍之介(チェンバロ)の各氏とコンサートでした。皆さんとはよくコンサートを一緒にする間柄ですし、岡田さんとは10何年か前から各地でコンサートをしていました。でも彼とご一緒させていただくのは、10年ぶりくらいです。この4人でアンサンブル・コンチェルターツィオという名では実は初めて。4人のうち通奏低音が3人という豪華版です。(笑)

曲目はオールイタリアン。それも17世紀後半以降のものを集めました。曲目は次の通り。

カルダーラ作曲 アダージョ(チェロ・ソロのためのシンフォニアより)
コロンビ作曲 チェロと通奏低音のためのトロンバ、チャコーナ
フレスコバルディ作曲 2つのガリアルダ
カツァーティ作曲 カンツォネッタ「気まぐれに恋をする女」
スカルラッティ作曲 2つのソナタ
ガブリエッリ作曲 カンタータ「敬愛なる神よ」
ザンボーニ作曲 ソナタ第6番ト短調
ボーニ作曲 チェロソナタ第10番ハ長調
レグレンツィ作曲 カンタータ「鎖よ、私を解放しておくれ」
ヴィヴァルディ作曲 チェロソナタ ト短調RV42

この時代のイタリアンはとても耳になじみやすく、実際会場にこられた方でバロックははじめてと言う方からもすごく楽しめたというお声をいただきました。

私が今回使用した楽器は、ニ短調調弦のフレンチ・テオルボですが、この時代なら歴史的には、Gチューニングのアーチ・リュートでしょう。ルルデスのアーチ・リュートを使用すると言う選択もありましたが、4人編成で音量的な問題から大型のフレンチ・テオルボを選択しました。やっぱり聞こえてナンボですから。多分本番では非常にクリアにテオルボの音が聞こえていたと思います。

ただザンボーニはもともとアーチリュートのための作品なので、それをニ短調調弦(バロック・リュート)のために編曲をしましたが、オリジナルよりずっと手強い曲になってしまいました。この曲だけアーチ・リュートに持ちかえるという手もありましたねぇ。11月はこの方法を検討してみましょう。