こういった栓は17、8世紀の人々にとってはあたりまえの世の中であったため、いちいち押しながら回すということを言われなくとも指先が知っていた筈です。
当然こういった栓は固めですから指先の力もついていたことでしょう。これが現代人、とくに50歳くらい以下の人たち、になるとペグの回し方を知らないため、人差し指と親指でペグの持ち手を挟んだだけで回転させるだけというような回し方をしてしまいます。
それでは回るわけがありません。ペグの持ち手のカドを指に当ててテコの原理で回さないとまわりません。まぁ水道の水栓でも今は回さず上に上げるだけ、それすらもない自動水栓も増えているので出来ないのも無理はありませんが。
指先で「回す生活」がなくなっているために指先の筋力も衰えているので、もうひとつ出来にくくなる要素が増えます。回し方がわからない、プラス筋力不足です。
こういうことに対処するためにペグ回しの補助具が実はあります。
これは私の生徒さんの自作品を頂いたものです。これだと固いペグでも易々回りますし、ロー・ギア化するのでより細かい精度で回すことができます。
なるほどですね、これはいいアイデア品ですねえ。
私も市販ではありますが、エレキでも回し器があり持っています。
リュートの場合ですと、ちょっと木の伸縮など季節や湿度、気温で上手くいくのかなあと思ってしまいますが、問題ないでしょうか。
スムーズにいくならこれは便利です、初めて見ました。古楽器専門店でも売ってないですよ。
ペグを入れる孔も手彫りのようで手間暇がかかってる苦労の跡が想像できます。
なかなかの力作だと思います。