リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

運行履歴

2025年01月13日 13時31分44秒 | 日々のこと

物品を購入して送ってもらうとき、今現在どこにあってどう処理されているかを見ることができるサービスが最近は普通になっています。国内ではすぐ到着するのであまり必要はないと思いますが、海外に発送したり海外から受け取ったりするときに状況がほぼリアルタイムで見ることができるのでとても便利です。といってそれを見ることで送付が早くなるというものではないので、そんな運行履歴(Tracking History)をリアルタイムで見ることなんてどうでもいいといえばどうでもいいのですが。

1月2日にドイツのサイトに注文したCD弦のDHLによる運行履歴です。CD弦はは現在川崎市に停滞?しています。3連休のため全く動いていないみたいです。明日には動き始め自宅に到着は明後日頃でしょうか。

50年ほど前、まだリュートは始めて間もなく手に入る楽譜(タブによるオリジナル手稿譜)が少なかった頃、大英博物館(図書館)やケンブリッジ大学図書館などからマイクロフィルムコピーを購入していましたが、大英だと約1ヶ月くらい、他の図書館でも3ヶ月もすればマイクロフィルムコピーが届きました。遙か彼方の外つ国に紹介の手紙を出し、1~3ヶ月後、少し忘れかけていた頃にビッグサプライズが届くというのはとても嬉しいものでした。

こういった海外からのお取り寄せから活用までは50年前と今とではやり方がすっかり変わってしまいました。50年前だと、紹介の手紙を出しモノが到着後代金送金のために桑名郵便局に出かけ郵便為替の書類に記入して然るべき金額を送金します。(ポンドがまだ800円!近くしていました)楽譜の場合だとさらにそれを写真に焼き付け、現像・水洗し、乾燥させ、製本するということをしてやっと楽譜として使えるようになります。

それが今では全てデジタルを通じて注文から送金、さらには iPad による閲覧まで一気通貫で行えます。おまけに運行の履歴まで見られるというのが当たり前になってしまいました。海外からのリュートの資料や物品の入手法で見ると世の中が大きく変わったのだと実感できます。50年前の更に50年前の時代(=20世紀初頭)だと、一般庶民がどんな方法であれリュートの資料を見るということはほぼ不可能であったということを考えると、50年という年月は社会システムが大きく変化するのに充分な年月だと言えます。

 


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