リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

リュートが最適

2023年10月20日 19時59分39秒 | 音楽系
週刊誌の広告に「ピアノは認知機能増進(確保?)に効果!」というのがありました。

ピアノは両手の指を使うので、練習を続けることで頭がシャキッとしてくるということですね。でもそれを言うのならなんと言ってもリュートです。

リュートは認知機能の衰えを防ぐのにもっともふさわしい楽器です。他のどんな楽器よりふさわしい。何より両手を使いますし、爪を切って弾弦、押弦するので、指先の刺激がギターなんかにくらべると格段に強い。

調弦もとても頭の機能を使います。詳細は当ブログの最近の連載をご覧下さい。たとえ聴力が衰えている場合でもチューナーを使うという手がありますので問題ありません。

弦を合わせるにはペグを回さないと行けませんが、これには結構指の力が必要です。ギターのようなギアがないので基本固いです。このことによって指先の筋肉が鍛えられ、図らずも筋トレになります。

反面弦の張力は1本3kg程度で、ギターに比べたら半分以下で手には優しいです。でも複弦なので結局2倍必要だし2本は押さえにくいのでまぁ結局はちょっと押さえにくいですが。

楽譜はタブラチュアという文字譜なのでこれまた脳に刺激がビンビンです。これを覚えることで脳が素晴らしく活性化してきます。加えて音がその辺のどの楽器より小さい。(もっともクラヴィコードには負けますが)ですから隣近所の迷惑にもなりません。

弦を張るのも自分でブリッジに結びつけ弦がブリッジから抜けないように張らないといけません。このあたりはスリルがあり相当脳に刺激が行きます。たまにブリッジからスルっと弦が抜けるとそのショックは大きく、でも人生老境に至ってはこのくらいの浮き沈みがあってもいいのではないでしょうか。ペグに結ぶときにも一定のコツが必要で、弦を張るだけでこんなに頭を使ったり経験を積まなくてはならない楽器はリュートをおいて他にありません。こういうことも認知機能を維持拡大するのに大いにプラスになるのではないでしょうか。

さらには勉強家の方にはいろんな理論をかじったり、テンペラメントのことを学んだりする道もあります。もっともこれらはろくすっぽ理解はできないでしょうが、それでもそういう意欲を持たせてくれる楽器なんです、リュートは。

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というようなことを誰か本にまとめて認知症対策=リュートみたいなことを言ってくれないかなぁ。(笑)え、これでは誰もリュートを弾かなくなるって?まぁお好きな人は弾くでしょう。