現在奈良で正倉院展が開催されています。今月13日までですが、今回は残念ながら行くことができません。
正倉院にはボディが丸いものを入れて8面の琵琶があるそうですが、今年は「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶(かえで・すおうぞめ・らでんの・そうの・びわ」が展示されています。
楓蘇芳染螺鈿槽琵琶というのは、カエデを蘇芳色(黒みを帯びた赤色)に染めた素材を使い、螺鈿の装飾を施した箱型ボディの琵琶という意味です。インド由来という5弦の琵琶は裏板に紫檀をつかっていますが、こちらはカエデなんですね。表面版もカエデかしら?
NHKテレビ日曜美術館のアートシーンでこの楽器の解説をしていましたが、解説は螺鈿の装飾とか表板の撥弦位置に張ってある絵の説明ばかり。楽器という視点が全くないです。表面板は柾目ではなく板目であることとか、槽の琵琶とそうじゃない琵琶の違いはとか、弦はどんな素材なのかとかなど楽器的な視点はいくらでもあるんですけどねぇ。まぁ一般の人にはわかりにくいしアピールしにくいところなのでどうしてもそうなるのでしょうけど、楽器として成り立っていてのこそのお宝琵琶です。
華麗な装飾を施した楽器は最高級品であり当然楽器製作家は最高の技術を持った人が作っているはずです。螺鈿細工の専門家が適当に琵琶の形を作って自分の螺鈿細工をアピールしたというものではありません。正倉院クラスの楽器ですから、音も最高レベル、ルックスも最高レベルのはずです。楽器を専門とする学芸員のお話をききたいところです。それがないと一般庶民は誤解をしてしまいます。
高校生の頃、昔の鏡の写真が日本史の教科書に出ていましたが、裏の装飾ばかりでした。鏡の部分、装飾の反対側をじっくり見たいと思いました。あくまでも鏡ですから本質を避けてはいけません。
リュートを見るときも多くの方はロゼッタとかリブの柄とかネックの装飾に目が行きますが、私は音に関係がないこれらのことには全く関心がありません。表面板の材質やクオリティ、ブリッジの形状や位置、板の接合技術、ペグの精度なんかが私の関心事です。ルックスは総体に発するもの(オーラみたいなもの?)を見るというか感じるようにしています。これが意外とあたるのです。いい楽器はなんらかのオーラを放っています。
もっともこれらの視点は一般的にはわかりにくいので、私の楽器を見てもらうときはロゼッタや材質の話なんかを話の糸口としていたしますが、これはあくまでリュートを見たことのない方に対しての一緒の方便です。すでにリュートを弾いている人がいつまでもこのレベルではだめです。といってこの手の話を深掘りしすぎて頭でっかちになり演奏に向かわないのも困りますが。
正倉院にはボディが丸いものを入れて8面の琵琶があるそうですが、今年は「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶(かえで・すおうぞめ・らでんの・そうの・びわ」が展示されています。
楓蘇芳染螺鈿槽琵琶というのは、カエデを蘇芳色(黒みを帯びた赤色)に染めた素材を使い、螺鈿の装飾を施した箱型ボディの琵琶という意味です。インド由来という5弦の琵琶は裏板に紫檀をつかっていますが、こちらはカエデなんですね。表面版もカエデかしら?
NHKテレビ日曜美術館のアートシーンでこの楽器の解説をしていましたが、解説は螺鈿の装飾とか表板の撥弦位置に張ってある絵の説明ばかり。楽器という視点が全くないです。表面板は柾目ではなく板目であることとか、槽の琵琶とそうじゃない琵琶の違いはとか、弦はどんな素材なのかとかなど楽器的な視点はいくらでもあるんですけどねぇ。まぁ一般の人にはわかりにくいしアピールしにくいところなのでどうしてもそうなるのでしょうけど、楽器として成り立っていてのこそのお宝琵琶です。
華麗な装飾を施した楽器は最高級品であり当然楽器製作家は最高の技術を持った人が作っているはずです。螺鈿細工の専門家が適当に琵琶の形を作って自分の螺鈿細工をアピールしたというものではありません。正倉院クラスの楽器ですから、音も最高レベル、ルックスも最高レベルのはずです。楽器を専門とする学芸員のお話をききたいところです。それがないと一般庶民は誤解をしてしまいます。
高校生の頃、昔の鏡の写真が日本史の教科書に出ていましたが、裏の装飾ばかりでした。鏡の部分、装飾の反対側をじっくり見たいと思いました。あくまでも鏡ですから本質を避けてはいけません。
リュートを見るときも多くの方はロゼッタとかリブの柄とかネックの装飾に目が行きますが、私は音に関係がないこれらのことには全く関心がありません。表面板の材質やクオリティ、ブリッジの形状や位置、板の接合技術、ペグの精度なんかが私の関心事です。ルックスは総体に発するもの(オーラみたいなもの?)を見るというか感じるようにしています。これが意外とあたるのです。いい楽器はなんらかのオーラを放っています。
もっともこれらの視点は一般的にはわかりにくいので、私の楽器を見てもらうときはロゼッタや材質の話なんかを話の糸口としていたしますが、これはあくまでリュートを見たことのない方に対しての一緒の方便です。すでにリュートを弾いている人がいつまでもこのレベルではだめです。といってこの手の話を深掘りしすぎて頭でっかちになり演奏に向かわないのも困りますが。