リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

2005年05月03日 03時19分14秒 | 日記
最近、新しい楽器にいろんな弦を試しています。最初は前の楽器と同じスペックのを張って見たんですが、やはり楽器の特性が異なり、低音があまりにも出過ぎるので、低音弦のオクターブに半分くらいガットを張ってみました。弦のメーカーもA社からK社に変えました。これがなかなかいけまして、結局4コースとオクターブ弦全部ガットにしてしまいました。
ガットは音がソフトで質感があり、楽器との相性も抜群です。こうなったら、高音弦もガットにと思っていた矢先、バーゼルにも夏が訪れて来ました。
春も突然来たのですが、夏も「はい、今日から夏でーす」って感じで3日前からもう一気に夏です。一旦それなりに落ち着いていたガット弦も気温の上昇とともにピッチが不安定になり始めました。同じ素材のものばかりならまだそんなに問題は少ないんですが、ナイロン線、ナイロン芯銅巻き線、ナイルガット芯銅巻き線、それにガットといろんな素材が混在していまして、みんな温度に対する変化の割合がことなります。
昨日のホピーのレッスンのときなんか、もう弦は狂いっぱなし。特にガットの狂い方が激しかったですねぇ。レッスンも終わりかけるころにやっとまともな状態になるという有様。
ま、ある程度は覚悟の上でやってるんですけどね。(笑)ヨーロッパも最近は温暖化で結構気温が上がります。湿度は低いですけど、温度が上がるだけでこんなに狂うとは思っていませんでした。弦が狂うのは湿度の方がより強いファクターだと思っていましたから。日本だと当然暑い時期は温度も湿度も高いからまずだめでしょうね。
ということで、日本用にとっておいたナイロン線にきれいさっぱり替えてしまいました。こっちでは使えなくはないと思いますが、やっぱりあまりに狂うのはうっとうしいですからね。

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