先日NHKで鈴木雅明さんのオルガンで、北ドイツ北オランダにあるシュニットガーのオルガンを巡る番組をやっていました。シュニットガーは多数のオルガンを製作し、現在も修復されて残されています。そんなシュニットガー・オルガンを巡る旅でした。
今回の番組はとても丁寧なつくりで楽しむことができました。とりわけレギストラントにもさりげなく配慮がされていて好感が持てました。レギストラントというのはオルガニストの傍らにいて、レジスター(ストップ)という音色を選ぶノブを引っ張ったり引っ込めたりする人です。
オルガンを演奏するときは、どういう音色で演奏するかを全てオルガニストが決定します。オルガンは教会などの建物に併設されるのでひとつひとつ異なった造りになっていて、パイプの音色も皆異なります。それをどう組み合わせて曲を演奏するかは全てオルガニストの判断です。ですから同じ曲例えば有名なファンタジーとフーガト短調BWV542を弾いても、どこのオルガンで誰が弾いたかでまるで音色が異なることになるのです。このあたりはリュートの演奏において楽器や奏者の差で出てくる音の違いよりずっと大きいと思います。
オルガニストが決めたレジスターの組み合わせを曲の進行とともに切り替えていくのがレギストラントです。もちろん単純な短い曲の場合だとオルガニストだけでレジスターを選べますが、大抵の曲の場合はいくつかのレジスターを使って音を重ねますので、オルガニストの手だけでは足りません。そこで「専門職」のレギストラントの必要性が出てくるのです。
オルガニストと事前に打ち合わせ、その指示通りにレジスターを選んで行くのはなかなか大変な作業です。さらにレギストラントは譜めくりもします。譜めくりも奏者と一緒に楽器を弾いているつもりで楽譜を見ていないと、いいタイミングで譜めくりができません。余談ですが、以前ギターとピアノのデュオでピアノの譜めくりを担当していた某氏(アマチュアの方です)がいいタイミングで譜めくりができず慌てて譜面を下に落としてしまったということがありました。某氏はアマチュアながら演奏は上手なので引き受けたようですが、よほどしっかりと楽譜が読めないと務まらないのが譜めくり役です。
そんなレギストラントの仕事をカメラはさりげないけれど丁寧に映していました。雅明さんの顔にかぶらないようにレギストラントの顔が少し遠くに見えるようにしたり、待機して立っているところをさりげなく映したり、レジスターを変更する場面や譜めくりの場面をしっかりと捉えたり、オルガンの演奏はひとりではできないんだなということがよく分かるように撮っていました。多くのオルガン演奏のビデオはオルガニストの手や足を撮すのが中心で、レギストラントが実際はいるのによく映っても手だけとか(笑)という感じでえらい違いです。
今回の番組は雅明さんの演奏もさることながら、演奏の実際、歴史的背景、街の様子などが織り込まれた包括的で豊かな厚みのある内容でした。さすがNHKです。
今回の番組はとても丁寧なつくりで楽しむことができました。とりわけレギストラントにもさりげなく配慮がされていて好感が持てました。レギストラントというのはオルガニストの傍らにいて、レジスター(ストップ)という音色を選ぶノブを引っ張ったり引っ込めたりする人です。
オルガンを演奏するときは、どういう音色で演奏するかを全てオルガニストが決定します。オルガンは教会などの建物に併設されるのでひとつひとつ異なった造りになっていて、パイプの音色も皆異なります。それをどう組み合わせて曲を演奏するかは全てオルガニストの判断です。ですから同じ曲例えば有名なファンタジーとフーガト短調BWV542を弾いても、どこのオルガンで誰が弾いたかでまるで音色が異なることになるのです。このあたりはリュートの演奏において楽器や奏者の差で出てくる音の違いよりずっと大きいと思います。
オルガニストが決めたレジスターの組み合わせを曲の進行とともに切り替えていくのがレギストラントです。もちろん単純な短い曲の場合だとオルガニストだけでレジスターを選べますが、大抵の曲の場合はいくつかのレジスターを使って音を重ねますので、オルガニストの手だけでは足りません。そこで「専門職」のレギストラントの必要性が出てくるのです。
オルガニストと事前に打ち合わせ、その指示通りにレジスターを選んで行くのはなかなか大変な作業です。さらにレギストラントは譜めくりもします。譜めくりも奏者と一緒に楽器を弾いているつもりで楽譜を見ていないと、いいタイミングで譜めくりができません。余談ですが、以前ギターとピアノのデュオでピアノの譜めくりを担当していた某氏(アマチュアの方です)がいいタイミングで譜めくりができず慌てて譜面を下に落としてしまったということがありました。某氏はアマチュアながら演奏は上手なので引き受けたようですが、よほどしっかりと楽譜が読めないと務まらないのが譜めくり役です。
そんなレギストラントの仕事をカメラはさりげないけれど丁寧に映していました。雅明さんの顔にかぶらないようにレギストラントの顔が少し遠くに見えるようにしたり、待機して立っているところをさりげなく映したり、レジスターを変更する場面や譜めくりの場面をしっかりと捉えたり、オルガンの演奏はひとりではできないんだなということがよく分かるように撮っていました。多くのオルガン演奏のビデオはオルガニストの手や足を撮すのが中心で、レギストラントが実際はいるのによく映っても手だけとか(笑)という感じでえらい違いです。
今回の番組は雅明さんの演奏もさることながら、演奏の実際、歴史的背景、街の様子などが織り込まれた包括的で豊かな厚みのある内容でした。さすがNHKです。
大変なものなのですねえ。
そういう大変な裏方さんがおられることなど全然知りませんでした。
事前打ち合わせした内容を間違って操作してしまうというミスなど無いのでしょうか。
まあ、仮にあったとしてもお客はわからないですねえ。
そんなことを考えていましたら、昔、私はクラビコードを弾いてみたいなと思ったことがありました。
結構、奥深くてバッハ一族も一目置いてその修練の重要性を重視していたとか、何かの本で読んだことがあったのです。
調べてみますと、持ち運び便利なクラビコードが販売されているのです。
ですが結局、浮気せずバロックリュートだけにしたのですが。
先生の御話を読んでいましたらふっと昔の事を思い出してしまったのですが、単純な楽器のほうがいいなあと感じた次第です。
でも、クラビコードも弦の調律はあるのでしょうし、ちょっと専門的な知識も要るのでしょう。どのみちリュートも24本も弦を交換、調性するのですし、どんな楽器にしろ、取り扱いの宿命でしょうかね。
それからクラヴィコードはリュートよりはるかに小さい音の楽器です。生の音は録音の音とは随分異なりものすごく音圧が低いです。自分だけで楽しむか、聞かせるにしてもせいぜいひとりかふたりに聞かせるというような楽器です。