リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

2004年秋レオンハルト教会(1)

2004年12月01日 02時51分35秒 | 随想
 16番のトラムに乗り,バーフュサ広場で降りる。6時前だが,あたりはすっかり暗くなり,三週間あまり先に迎えるクリスマスの電飾が広場を別世界にしていた。このあたりはバーゼルの中でも,古い建物や街並みが残る,私が最も好きな一角だ。日本なら馬籠宿や高山の古い街並みといった風情だが,別に特別な観光地にしているわけでもなく,ごく普通に粛々と生活を営んでいるという点が日本と異なる。
 左右に注意を払って道を渡り,建物と建物の間の細い登りの路地に入った。昨年バーゼルに来た頃は,道を渡るときに突然思わぬ方向から車が来てヒヤリとしたこともあったが,今ではもうすっかり慣れた。路地はすぐに右に折れしばらく行くと,やや急な階段がある。それを登りきるとレオンハルト教会が目の前に現れる。教会の前にはこぢんまりとした庭があり,すっかり色づいたポプラの木の葉が足元を舞っていた。この教会の横を通り,3番のトラムが走る道を渡ると,今私が学んでいるバーゼル・スコラ・カントルムという音楽学校がある。

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