リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ジングル

2005年05月06日 19時40分04秒 | 日記
駅で聞こえるジングル(アナウンスが始まる前とか列車が来る前の音楽)は、まぁ一般的にはあまり注意して聞かないものでしょうけど、私の場合結構それがちょっとした楽しみだったりします。山手線のジングルは何種類かありますが、結構凝った作りのものもありますね。路線エリアによって曲がかわるみたいですけど、一番好きなのは東京駅付近で流れるうちの1曲。三連符のメロディで、内声部に半音階進行があり最後の和音が何と長三度下に転調するという曲です。おいおい、こんな短い曲でそんな遠いところに転調してどうするって感じですけど、駅では何回も続けてかかるので不自然さはなくいい曲ですよ。電車が入って来ると途中で切れちゃうのが残念なところですけど。(笑)
バーゼル駅のジングルは至ってシンプル。たった三音です。まず一つ目の音がなって、次のその完全五度上の音が来て、それから長三度下がる、というたったそれだけです。この三つの音は短三和音(マイナーコード)を構成するんですが、メロディの音程の中に短三度がないせいか、あまり重い感じがしません。響いて聞こえている和音は確かに短三和音ですけど、不思議なもんですね。そういや、バッハの小フーガト短調の始めの三音も同じ音程並びですよね。
スイスのフランス語圏に行きますと、バーゼルとはまた異なったジングルです。音はやはり三音ですが、二つ目の音が完全五度下がり三つ目はさらにそこから長三度さがります。要するに完全五度、長三度の組み合わせという点では同じですけど、響きはずいぶんモダンな感じになります。ひょっとするとスイス国鉄はこの完全五度、長三度の他の組み合わせを別の地域で使っているのかも。ということは残った組み合わせは、五度上がり+三度上がりと五度下がり+三度上がりですね。そういや電話で間違い番号をかけたときのジングルに、五度上がり+三度上がりが使われているような気がして、わざと間違い番号をかけて調べてみましたら、こっちは減五度上がり+長三度上がりでした。残念!(笑)

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4 コメント

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re (中川祥治)
2006-01-22 00:27:24
快,不快は人によって結構違いがありますからね。昔新幹線の開業当時,列車アナウンス前のジングルに,黛敏郎作曲の無調の音楽が使われていました。私なんか,結構国鉄(当時)もやるなぁ,なんて思っていましたが,ほどなく不快だということで別のに変わりました。理解してくれるひとが少なかったというので,黛さんもさぞかし不快だったでしょうね。
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Unknown (さかな)
2006-01-21 19:05:47
随分前の内容にコメントですが、駅で扉が閉まるときの音楽は「わざと不快にさせる音にしているみたいよ~」って聞いたのですが、正しくはどうなのでしょうか? ○○度どか、良く分からないので教えてください。 私は不快には感じ無いのですが(-_-) 
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re: (中川祥治)
2005-05-07 07:00:41
近鉄特急通過のジングルは確か、長三和音を3オクターブくらい速いテンポで上ってまた下ってくるという、至ってシンプルなものでしたけど、今もそうかな?味も素っ気もないですけど、速い電車が勢いよく通り過ぎていく感じはするという点で描写的ですね。ま、ジングルってそれでいいんですけどね。(笑)
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さすがでございます (サルビア伊藤)
2005-05-07 06:37:57
駅のジングルをこれほど検証する方がいるとは。。。さすが留学中のあらゆるものを学んでこようとされてる中川さんらしい視点にただただ呆れる、、いや失礼、、敬服致しております。(笑)





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