リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

リュートとの出会い (17)

2005年05月05日 00時39分49秒 | 随想
 ついに楽器としてのリュートを手にしたわけだが、そのころ何回か来日したドイツのリュート奏者、ミヒャエル・シェーファー氏の講習会に参加したり、佐藤豊彦氏による現代ギター誌の連載などを読んだりして演奏法を研究した。ただ、当時ははギターを弾いていたこともあって爪を使っていたし、何より基本的なタッチはギター的だったと記憶する。楽器を演奏するためには楽譜が必要だが、それに関しては意外にも困ることはなかった。今でもそういうことをしているアマチュアは少ないようだが、オリジナルタブラチュアのマイクロフィルムをヨーロッパの各図書館や博物館から取り寄せたからである。一番最初に、まだ東京・渋谷にあった「ギタルラ社古典楽器センター」でオックスフォード大学出版から出ていた、オリジナルの写真版付きエリザベス朝リュート音楽曲集を買った。それの巻末に出典一覧が書かれていて、その所在場所にマイクロフィルム購入希望の手紙を書いたのだ。最初に手紙を書こうと思ったのが大英博物館だったが、困ったことに住所がわからない。しかし有名な博物館だから、名前だけでも行くだろうと思い、The British Museum, Englandとだけ書いて送ったら約3週間後にマイクロフィルムが届いたのは実に驚きだった。以降、出典一覧にあるソースを片っ端から集め始めた。現代版の楽譜を買うときも、出典一覧がきちんと書かれているものを買うことにしたし、大英博物館には蔵書リストを請求したりもした。(きちんとした蔵書リストがあったのは大英博物館だけだったが)さらには、リュートのためのオリジナルソースリストである、「ラウテ・テオルベ・キタローネ」(エルンスト・ポールマン著)という本があることを知りそれも早速購入した。

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