リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

BGMな、お仕事

2007年03月04日 12時05分24秒 | 音楽系
ミッドランドスクエアの仕事もなんとか終わりましたが、結局はロビーでBGMを演奏するというよくある仕事でした。ま、この音楽にヴァイスやらコレルリが流れるというのは珍しいでしょうね。たいがいはモーツアルトなんかだったりしますが、私たちが演奏した第1、第3ステージの間の第2ステージでやっぱりモーツアルトをやってました。名フィルの方たちによるフルートカルテットです。

やっぱりモダン楽器で人数も多いですから音もよく通ってるみたいでした。こういう音のパワーがいる場面では、もちろんPAを使うので、音量の問題は実際はないんですが、音楽そのものの違いは感じてしまいますね。あと、今回はソロを三分の一くらいの時間演奏したんですが、気づいたのは、こういう場面では高めの音が使われる曲の方がはでるもんだって感じがしました。

演奏したのは、リサイタルで弾いたイントロドゥツィオーネ、メヌエットに加えて変ホ長調のシャコンヌでした。イントロドゥツィオーネは結構はでる曲だとは思うんですが、低い音域の部分もあり(ここがコンサートのときにはさらに魅力的になるんですが)、そこにさしかかると、弾いてて何か地味な感じがしました。リュートってもともと低い音域の楽器ですからねぇ。

それに対してシャコンヌは比較的高い音域にずっと張り付いているせいか、すごく華麗かつ可憐な感じがして音もよく通るような感じがしました。こういうノイズがいっぱいあるようなところでは高めの音域が中心的に使われている曲(例えばバッハの1006番とか、ヴァイスのへ長調ソナタとか)の方がいいようです。変ホ長調のシャコンヌなんて、コンサートで弾くとどちらかというと地味なタイプの曲ですけど、わからんもんです。

いままでこういうタイプの仕事でバロック・リュート・ソロを弾くことはあまりなかったんですけど、これからは(これからどのくらいあるかはわかりませんが(笑))戦略的に選曲をした方がよさそうです。