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理科支援~荒浜小学校

2012年06月08日 | 仕事・研究


先日、荒浜小学校の6年生に「消化と吸収」のお話をしに行ってきました。
荒浜小学校と聞いて、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか。
私は、この小学校の子どもたち、先生方、保護者、そして地域の方々のこの1年を思って、いろいろなことを考えながら出かけました。荒浜小学校は、名前の通り荒浜にありました。現在は、東宮城野小学校に間借りをしています。昨年、理科支援で出かけた泉区の将監中央小学校も被災のため間借りをしている状況でしたが、今年の荒浜小学校の事情はさらに深刻です。私が教えた6年生は13人。それでも多い方で、下の学年は3人、4人というクラスもあります。というのは、被災のため、在籍家庭が散り散りになってしまったのです。校長先生とお話しする中で、大変興味深い話がありました。このあたりの小学校は、運動会を行う際、地域の運動会と一緒に実施することが多いんです。地域の人たちが小学校に深くかかわっている証拠でもあるんですが、荒浜小学校の周辺地域では、各ブロックごとの結束が固く、毎年、仕事が終わってから小学校に集まっての「綱引きの練習」などが恒例となっていたそうです。それで、毎年大人たちが本当に真剣に勝負をしていて、それをとても楽しみにしているというんですね。現在、荒浜小学校が間借りしているため、徒歩で通える子どもはほとんどおらず、スクールバスで通学する事情から、昨年、運動会の際に時間切れで綱引きの「決勝」ができなかったとき、地域の方たちが本当に残念がり、今年は絶対に絶対に勝負をつけるぞ、とがんばっているそうです。それで、家庭数は少ないんだけれども、東宮城野小学校と合同の運動会、にはしないで、荒浜の運動会として開催するのだとおっしゃってました。

そんな地域がばらばらになってしまった。そして、再建のめどは全然たってないんです。震災直後よりも、こうして時間がたつにつれ、将来の不安が増しています。子どもたちはそんな中、とても元気に学校に通っていて、わたしの授業でもどんどん手が挙がって、感心しました。今回のお話は「食べたものはどうなっていくのかな」「健康な体を作るには?」「動物とヒトとの違いは?」という内容でした。牛の頭蓋骨やえさなども持って行き、ヒトとの消化のしくみの違いを学びました。思い起こせば、わたしも小学校6年生で獣医師を志し、不得意だった数学と理科を乗り越えて進学したのですが、子どもたちが学びの中で将来の夢を実現していくのだという希望をもってくれたらいいなあと思います。学びは必ず力になると私は信じています。そして、子どもたちが生き生きと生きていってくれることこそが、大人たちの支えにもなっていくことでしょう。ホントに厳しい現実があるんですけど、今年は入学式もでき、修学旅行にも行き、当たり前のことが普通にできることの喜びを感じています、と校長先生はおっしゃってました。私も私のできることを精一杯やっていこうという決意を再確認した一日でした。

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