最近はやや下火になったが、一時、医療不信がはなはだしかった。
医療不信はゆえなしとしないと私は思う。昔はとんでもない医療が平気で行われていたからである。
医学教育者からして、医の倫理にもとる者がいた。昔、麻酔事故で患者さんがなくなった。それで訴訟になった。
私の麻酔科の教授は裁判に出て、被告に有利な鑑定をして、明らかな医療事故なのに責任なしの結果を導いた。
学生の私が許せなかったのは、その教授(故人)がそれを得々と自慢していたことである。人格的にも問題のある教授だった。
身内に甘いという面は誰でももっているだろう。だから、その教授は自分の胸ひとつにしまって、裁判のことを語らなければよいのである。
それを自慢したものだから若い私に嫌悪された。
以後、医療不信、医師不信が強くなって、マトモなことをやっていても難癖をつける患者さえ出てきた。これは、さすがに行き過ぎだった。
その結果、産科、麻酔科の医師のなり手がなくなった。
片方に振れすぎた医療の振り子は、今度は反対側に振れすぎている。もうそろそろ真ん中に戻さないと、わが国の医療はおかしくなるだろう。
医療不信はゆえなしとしないと私は思う。昔はとんでもない医療が平気で行われていたからである。
医学教育者からして、医の倫理にもとる者がいた。昔、麻酔事故で患者さんがなくなった。それで訴訟になった。
私の麻酔科の教授は裁判に出て、被告に有利な鑑定をして、明らかな医療事故なのに責任なしの結果を導いた。
学生の私が許せなかったのは、その教授(故人)がそれを得々と自慢していたことである。人格的にも問題のある教授だった。
身内に甘いという面は誰でももっているだろう。だから、その教授は自分の胸ひとつにしまって、裁判のことを語らなければよいのである。
それを自慢したものだから若い私に嫌悪された。
以後、医療不信、医師不信が強くなって、マトモなことをやっていても難癖をつける患者さえ出てきた。これは、さすがに行き過ぎだった。
その結果、産科、麻酔科の医師のなり手がなくなった。
片方に振れすぎた医療の振り子は、今度は反対側に振れすぎている。もうそろそろ真ん中に戻さないと、わが国の医療はおかしくなるだろう。