院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

キャノンという会社

2008-12-19 08:28:57 | Weblog
 不況でキャノンが人員削減をするという。時代の波は恐ろしい。

 キャノンはカメラ会社として発足した。最初は「観音カメラ」と言った。「観音」を横文字風に直したのが「キャノン」という名称だった。

 キャノンのカメラは、昭和40年代に高級品として有名だった。キャノン・ぺリックスという鏡のない変な一眼レフを出してコケるまでは、そこそこの業績を残した。

 だが、このころからすでにキャノンは「次」を狙っていた。コピー機である。すでにゼロックスがあった。そんな中に分け入っていくことができるのかどうか、私には疑問だった。

 ところがどうだ。あとは破竹の勢いである。キャノンはコピー機でどんどん収益を伸ばし、ついに社長が財界の重鎮になるまでになった。

 キャノンはついにカメラではニコンを追い越せなかったけれども、会社としてはニコンを追い抜いてしまった。コピー機に目をつけた当時のキャノンの指導部に、いまごろになって敬意を表する私である。

 それなのに今回の人員削減である。業界とは本当に浮沈があるものだなと、この歳になってやっと分かった。