院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

やかんカルピス

2008-12-23 08:33:16 | Weblog
 私が子供のころは暖房は火鉢だけだった。電気炬燵がでてきたのは、もっと後のことである。

 むろん冷房なぞなかった。扇風機で真夏の酷暑をしのいだ。だから、真夏は食欲もなくなった。「夏痩せ」というのは夏の季語である。

 子供が好きな清涼飲料は、ラムネと三ツ矢サイダーとバヤリースオレンジとカルピスだった。冷蔵庫というものがまだなかったから、井戸水で冷やした。それらの飲み物もふだんは飲めず、慶事のときだけだった。

 そんな時代、近所の歯医者さんが子供会なるものを開いた。(歯医者といえば、当時、町の名士だった)。場所は歯医者の待合室。

 子供たちは、歌でも何でも、何か芸をやるよう命じられた。私は手品をやった。ずいぶん年上のいとこの夫がデパート勤務で、「シカゴの四つ玉」という手品をプレゼントしてくれた。(当時は、手品用品売り場というのがデパートにあったのである)。

 「シカゴの四つ玉」というのは、指の間に挟んだ赤い玉が増えたり減ったりする手品である。小学校3年生の私には玉が大きく、苦労して練習をした。

 手品を終える前か後か忘れたが、アルマイトのやかんがでてきた。そこには、きりっと冷えたカルピスが入っていた。飲み放題である。

 カルピスがやかんで飲み放題なんて、私はめまいがするほど感動した。その歯医者の娘さんは、私と同級生である。子ども会以来、会っていない。名前も忘れた。

 最近、私はブログに昔の思い出を書くことが多いようだが、それは深夜に酔って原稿を書くからだろうか?

 深夜に書いたものを、翌日アップすることが多い。