院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

再び「無」について

2011-09-05 08:39:27 | Weblog
sein (ザイン)というのはドイツ語の be-動詞の元型である。「・・である」、「・・がある」という意味だ。それを名詞化して頭文字を大文字にしたのが Sein という哲学用語である。

 Sein は「有」と訳される。無理矢理「存在」とも訳される。da-Sein を「現存在」なぞと訳す。だから邦訳のドイツ哲学書は、さっぱり意味が分からなくなる。ドイツ人にとっては日常語の改変なので、スッと分かるのだという。

 2011-07-31 の私の「無」にかんする記事について、在米の Tetsuro Motoyama さんは、英語に null という語があるとコメントくださった。確かに null はゼロとか何もないという意味だ。しかし Sein の反対語とは少し違うのではないか?

 しいて言えば、nicht-Sein とか not-Be ということになるのではないか?というのが先日の「無」にかんする記事の趣旨である。

 Sein そのものが英語ではどのように訳されているのか知りたいところである。