院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ポルトガル管見記(ポートワイン篇)

2011-09-30 06:55:06 | Weblog
 「食べ物篇」でポルトガルのポートワインは絶品だと述べた。それもそのはず、「ポート」とはポルト地方のことで、ポルト地方とナントカ地方が合体してポルトガルと称されるようになったそうだ。

 したがって、ポートワインはポルトガル独特のワインということになる。造りかたは普通に葡萄を醗酵させ、ある時点でブランデーを混ぜて醗酵を止めることによって、ポートワインとなる。

 日本では「赤玉ポートワイン」というのがあった。しかし、ポルトガルの業者から、ポルト地方産でないのにポートワインを名乗るのはけしからんと言われ、製造元のサントリーは、この名称を廃止した。

 普通のワインが14度なのにポートワインは19度である。なぜ強いのかは知らない。

 レストランでワインを注文すると、普通のワインが出てくる。むろんポルトガルワインで、安くて結構おいしい。ポートワインが呑みたければ、別に断りを入れて注文するのだろうが、わざわざそうするツアーメンバーはいなかった。

 ポートワインの醸造元に見学に行った。展示してある瓶のもっとも古いものは1913年だった。もっと古いのはあるけれども展示していないそうだ。だいたいビンテージ物で1本50万円くらいだという。普通のワイン並みである。

 ポートワインにも赤と白がある。両方呑んだ。私には赤のほうが複雑な味がして好みだった。酒をあまり呑まない人には白のほうがさっぱりしていて良いかもしれない。

 一定の文化は必ず一定の酒をもっている。スコッチしかり、老酒しかり、日本酒しかりである。みな、その国の料理に合う。逆に言うと、その国の料理にしか合わない。だが、ポートワインはどんな料理に合うのか分からなかった。食前酒や食後酒によいと思った。

 イスラム圏では酒を呑まないけれども、イスラム文化というのは、れっきとしてある。なぜ、イスラム文化が独自の酒をもたなかったのか理解できない。イスラム教の歴史なんて、たかだか2千年である。それ以前には、ちゃんとした酒があったのかもしれない。

 同じくイスラム圏のチュニジアには「ブハ」という焼酎があった。