大田区は、基金の運用上限を10年から20年へ変更しました。
私は、10年でも長いと思いますが、20年と言う長期にわたり、眠らせておく財源があるということです。
そもそも、20年も使わないのに、税金で集める必要があったでしょうか。
使わないなら、減税すべきではないでしょうか。
大田区の歳入の約2割は国庫支出金です。
大田区の資金のため国が発行した国債を、大田区が買うようなものです。
まったくおかしなことが起きています。
コロナ、ロシアウクライナ、財政破綻の言い訳はいくらでもできると思っているのかもしれませんが、
だからと言って、こんな、おかしなことは許されません。
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大田区の積み立て基金の運用年限を10年から20年に延ばす方針が公表されました。
2022年度当初予算で、大田区は、約1000億円の積立基金があります。
この基金を少しでも利率の良い債権を購入して、利息を稼ごう、と説明を受けました。
私は、10年でも長いと思いますが、20年と言う長期にわたり、眠らせておく財源があるということです。
そもそも、20年も使わないのに、税金で集める必要があったでしょうか。
使わないなら、減税すべきではないでしょうか。
そのうえ、今年の歳入をみるとわかりますが、大田区の予算の約2割を国庫支出金で占めています。
国は、その財源のかなりの部分を国債でまかなっています。
03.pdf (mof.go.jp)
国は、大田区への国庫支出金の一部を国債で賄っていますが、大田区が、国の資金調達のために国債を買うことにしたようなものです。
国庫支出金は、特定財源で使途が決まっていますから、国庫支出金を積み立てているわけではありませんが、、、
そうはいっても、まったく理屈に合わないお金の流れが起きています。
だいたい、財源が余り積み立てるほど、大田区の住民福祉が足りているわけではありません。
福祉の事業の中には、規模を縮小した事業、廃止した事業もあります。
直接的な増税はありませんが、扶養控除などの廃止で、課税対象となる所得が増えているため、中間所得層の税負担が徐々に大きくなっています。
可処分所得が減って、以前の額面所得に比べ、特養に入るのも、こどもを進学させるのも、楽ではなくなっているのです。
長期の積み立ての運用を考える前に、税をご負担いただいた区民の福祉のために
使うべきだと思います。
2000年以降、地方分権と三位一体改革で、地方に財源を厚くし、地方の自立を目指したはずですが、国からの紐付き財源は、地方分権になってからも増えています。
ところが、地方では、財源を使いきれず、余らせて基金に積み立て、20年の長期で運用が始まろうとしているのです。
そうかと思えば、国は、地方交付税交付金が足りないからと、
法人住民税を国税化し、消費税地方交付分の算定基準を変えて、都市部より地方に厚くし、東京都など都市部から、地方に財源を配分しています。
まったく理屈に合わないお金の流れが起きています。
だいたい、積み立てるほど、大田区の住民福祉が足りているわけではありません。
特に福祉の事業の中には、規模を縮小した事業、廃止した事業もあります。
長期の積み立ての運用を考える前に、税をご負担いただいた区民の福祉のために
使うべきです。
有利な利回りでの運用以前に、毎年、その年のために使うからと言って区民のみなさまから集めた税金を、10年後、20年後のインフラのために使うことになれば、税金を支払った区民のなかには、見たことも無い施設のために、税金を払う方もでてくるでしょう。
問題だと思います。
しかも、20年にする理由は、より有利な高い運用収益をあげるためですが、長期になれば、その分リスクを伴います。
2002年に5年だった運用期間は、2014年に10年になり、今回20年に延長されました。
管理運用の原則には、「安全な金融機関への預託、国債、地方債、元本保証の債権などによる安全性を確保し適切に行うものとする」と書かれていますが、2015年に対象債権に含まれるようになった財投機関債は元本保証ではありませんし、運用期間も、この20年で5年から20年へと大きく伸びています。
区は、損しないよう、事前に解約する事も出来ると言いますが、安全な金融機関として取引する基準は、
・自己資本比率
・株価
・格付け
など誰もが得られる情報で、それで安全が担保できるなら、誰も債券で失敗しないでしょう。
この間の運用基準の急激な変化は、納得できるものではなく、リスクを軽視ししていると思います。
そういえば、経済産業省の示す「新しい経済の新機軸の理論的根拠」に、
「政府もリスクを負う」「民間投資を呼び込む政府資金」と書かれています。
大田区も、まさに、民間の投資利益になる、リスクの大きな投資をしようとしていますが、
そのリスクは、他でもなく、区民が負担することになります。
決して行ってはならないことです。