先日のこども文教委員会で、大田区の保育園と幼稚園での捕捉されたという報告がありました。
0歳から5歳までのこどもの社会的インフラが【課題の有無は別にして】量的に整えられたということです。
数さえあれば、待機児対策は終わりかといえば、課題はたくさんあります。
量的充足から、質的改善への新たな時期に入ったということです。
今年度の待機児数は公表されていませんが、入りたい保育園に入れなかった方たちは大勢いるでしょう。
認可保育園より保育料が高い認証保育所でも、認可保育園に入れなければ入れるしかありません。
これまでの待機児対策の流れと新たな課題について考えました。
大きな流れでみると、それまで、夫婦とこども1人か2人をモデルとして作られてきた社会モデルが、1990年代(バブル崩壊)以降大きく変化します。社会経済状況が女性の就労を拡大させてきました。
専業主婦がへり、女性も働くようになります。
ここに待機児問題が発生します。
就学前の子どもの多くは3年保育の幼稚園に通い、0、1、2歳児の多くは家庭で過ごしていましたが、女性が働くようになって、
既存の保育園では足りない、0、1、2歳児が過ごす場、
フルタイムで働く家庭の3、4、5歳児の過ごす場、
の整備が必要になりました。
この間の待機児対策は、これらの不足を、既存の公立(一部社会福祉法人)の保育園と幼稚園とでどのように補足していくかという対策だったわけです。
大田区は、0歳~5歳までの子どもの数が、一学年5500人前後(直近の0歳は5700人)です。
この5500人前後の子どもの社会的インフラが整えられたというのが大田区の認識です。
しかし、
私たちのまえには、
料金が高かったり(認証保育所など)、
時間が短かったり(幼稚園の預かり保育、保育ママなど)、
兄弟が別の保育園に通ったり、
園庭が無かったり、狭かったり、
民営化で保育士が低賃金で、
賃金というコスト削減をして株主配当や内部留保など、企業利益に税金を流している、
できた保育園は、株主の資産になってしまう、
また、幼稚園が選ばれず、廃園の危機にさらされている、
といった課題が表れています。
とりあえず、数だけ増やしてきた、あるいは意図的に置きざられてきた課題に、向き合わなければならない時に来ています。
今年度から大田区は、待機児担当課長を廃止し、待機児対策には担当の係長を配置しました。
量的充足から質的改善への転換はできるでしょうか。
引き続き待機児問題に取り組んでいきたいと思います。