西馬込車両工場跡地は、文字通り、都営地下鉄の車両工場があった場所です。
当然、用途地域は、準工業地区になっています。
工場の移転・廃止・集約という動きが進み、その跡地に高層マンションが建設され、周辺の工場の操業脅かされたり周辺住民とのトラブルが生じたりしているケースが各地で見られます。
大田区では、こうしたケースに対応するために工業団体に説明することで解決を図る方法を選んでいますが、根本的な問題解決にはつながっていないように思います。
川崎市をはじめとしたいくつかの自治体では、工業地域の目的が「主として工業の利便を増進するため定める地域」であることから、工場などの健全な操業を確保するため、また、工場および業務系から住居系の土地利用に転換される場合に、相互における居住環境を保持するため、工業地域に、高さ制限を設けるなどの対策を講じています。
西馬込の車両工場跡地は、このまま区が購入しなければ民間に開発されることになります。
周辺は低層の住宅地ですが、この地区が準工業地区であることから、東京都の報告書の中には、17階建ての高層マンションを想定したプランもありました。
大田区として、まず、この地区を工業用途とするのかという判断がなされるべきであり、工業のまち大田を守るのであれば、準工業地区の用途を活用すべきです。
どのような開発プランが選定されるのかわかりませんが、仮に、住居用途が選択されるのであれば、川崎市のように。周辺地域にふさわしい高さ制限を設けるべきではないでしょうか。