厚生労働省は、3月28日(金)に、平成17年度及び平成18年度に労災認定された方が働いていた事業所などを公表しました。
現在、大田区では、宮寺(ミヤデラ)の石綿工場周辺住民などの環境被害が問題になっていますが、環境被害が広がる可能性がでてきました。
大田区で、新たに労災認定されている、過去に石綿を扱っていた事業者は、次のとおりです。
宮寺石綿理化工業㈱大森工場(現 ㈱ミヤデラ断熱)
㈱日本航空インターナショナル羽田地区事業所
関西ペイント㈱東京工場(現 関西ペイント㈱東京事業所)
多摩川内燃機
潮石綿工業所
㈱蔵重製作所
石綿を取り扱っていた時期や、労災認定の詳細についてはこちら
これらの事業所で作業に従事したことのある方や、周辺に住んでいたり、周辺に勤務していた方でご心配のある方は、大田区の保健所や行政センターの地域福祉課、あるいは、中皮腫・じん肺アスベストセンターにご相談ください。
また、大田区内の事業者ですが。区内事業所でアスベストを取り扱っていたのではなく、アスベストを使う仕事を請け負っていた事業者として
越路工業㈲
㈱ユニエックス
㈱三益工務店
㈱市原工務店
㈱新潟鉄工所
㈱杉山
㈱矢沢電機商会
協和工事㈱
山越木建工業㈱
殖産住宅相互㈱蒲田支社
が上げられています。
過去に、これらの事業者のもとで仕事をしていた方は、アスベストを取り扱った可能性があります。
でご心配のある方は、大田区の保健所や行政センターの地域福祉課、あるいは、中皮腫・じん肺アスベストセンターにご相談ください。
今回の、厚生労働省の好評について、中皮腫・じん肺アスベストセンターは、その公開情報が不十分であるとして、更なる情報の公開を求めています。
①過去に公表された事業者の平成17、18年に新たに認定された被害者数の公表が無い。
②死亡年別、男女別、都道府県別の認定件数が公表されていない
③事業者の所在地がどこであるか、住所も含めた公表が無い
④建設業及び製造業の元請け事業場名の公表が実施されていない
⑤自治体ごとの認定事案の統計数字が当該自治体に提供されていない。
石綿被害の指標疾患である中皮腫について、各自治体や住民、国民は、死亡件数、認定件数を知ることができない。
⑥公表事例が不十分なため、労災申請が行えない事例が多い
こうした情報が公開されることにより、たとえば、現在、大田区では、ミヤデラの環境被害者の救済のための健康診断などが行われていますが、潜在的な被害者救済につながるとともに、疫学的な情報充実になり、環境被害者の公害認定へとつなげる一歩となります。
十分な情報提供の無いままに、過去にその有害性について何も知らされずに使用し、あるいは、周辺生活環境の中で使用されていたために、暴露(吸い込んで)してしまい罹患した方たちを救うためには、何よりも、少しでも多くの情報を公開し、アスベストと病気との因果関係につなげることが重要です。
厚生労働省の十分な情報公開が、大田区の、そして、全国のアスベスト被害者を救うことになります。
また、大田区としても、これまでも繰り返し申し上げている通り、疫学調査をしていかなければなりません。
そして、それは、ミヤデラ周辺に限定せず、今回公表になった、過去にアスベストを使用していた事業者の事業所を明らかにし、その周辺も包含した調査を行なわなければなりません。