入札だと予定価格を漏らした、受注業者間で落札業者をあらかじめ決めていた、などの談合が問題になります。
ところが、提案内容の総合評価で受注者を決める「プロポーザル」だと、事前に行政と業者が契約の条件などについて話し合うのは、問題が無いようです。
大田区は【サンディング調査】という、業者への事業の事前の意向調査を始めていますが、次第にそれが増えています。しかも、大規模事業において。
契約の価格や要件を「値踏み」するというのです。
入札に代わって、プロポーザルになると
価格の競争性が失われる
質の確保に基準がなくなる
と思っていましたが、
プロポーザルの募集要項に掲載される契約要件も、受注者側の意向で決めるようになっているのです。
そういえば、国債の引き受けも事前に「国債市場特別参加者」と呼ばれる20社に引受額や条件など(だと思うのですが)についての会合の場を設けています。(平成16年から)
サウンディング調査が初めて行われたのが2018年(平成30年)の羽田空港跡地開発からですから、いずれも構造改革(民営化、地方分権、規制緩和等)以降のことです。
区民への意向調査と言えば、抽象的で一般的な世論調査やパブリックコメントなどがありますが、区が誘導的な質問を作り、進めたい方向に誘導するか、意見を聴取して終わり、といった印象があります。
ところが、区民の財産や税金を使って、お仕事を受注する業者に、どうやって引き受けてもらえるか、区が(程度はあるとは思いますが、)「譲歩」を前提に、意向を調査するというのも衝撃的です。
区民のみなさんは、どう感じられますか?