塗料に含まれるアスベストも飛散性アスベストとして飛散防止策が必要になりました。今回、大森大師小学校の解体で、塗料にアスベストが含まれていたため、密閉して除去するための工事費が計上されました。
アスベストを飛散させないための、大切な対応ですが、大田区では、民間建物の塗料に含まれるアスベスト対策の指導体制を作っていないことがわかりました。
小学校の近くの外壁塗料にアスベストが含まれていても、調査も、飛散防止策も求めていないのです。
区内の解体建物における公共建築物は、ほんのわずかです。大田区の建物だけアスベスト対策をしても、子どもたちを守ることはできません。
解体工事契約議案に対する奈須りえの賛成討論です。
第40号議案「大田区立大森第四小学校校舎(棟番号⑦-1その他取り壊しその他工事請負契約について)」に賛成ですが、一言申し述べさせていただきます。
この議案の工事内容には、外壁仕上げ塗材アスベスト除去工事が含まれていて、塗料に含まれているアスベストをレベル1(飛散性アスベスト)として取り扱い除去するための工事請負契約議案です。
法令がかわり、塗料に含まれるアスベストについても解体改修前に調査し、外部に飛散しないように対策を講じることが求められるようになりました。
大田区が、大森第四小学校校舎の取り壊し工事において、法令を遵守し、図面に書かれている塗料の製造年やメーカーなどをもとに、アスベストの有無を調べ、その後サンプル調査をし、結果レベル1飛散性アスベストとして飛散防止策を講じた安全で適切なアスベスト対策をしようとしていることは評価できます。仕様に基づいた適切な施行計画のもと安全なアスベスト除去を求めます。
一方で、民間の建物の解体改修工事における塗料の事前調査や、飛散防止策のチェック体制を大田区は作っていません。
現在も、解体におけるアスベストや粉じんの飛散防止のチェック体制は不十分で、多くの区民が不安の中にいます。
子どもをはじめとした区民や現場作業従事者ほかの健康を守ることは、小中学校校舎の解体工事における塗料のアスベスト対策だけでなく、区内の解体工事においても、同様のしくみをつくる必要があります。
公共施設同様、民間の建物においても、安全なアスベスト対策が行われるよう、事前に「業者が調査し」、「アスベストが使われていれば、解体業者にアスベスト対策を講じるよう求めるしくみ」をつくることを求め賛成といたします。
中野区はアスベストに関わり必要な対応についてHPに詳しく公表しています。
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/faq/005/008/d024262.html
厚生労働省は、平成29年3月に「石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル」を作り、塗料に含まれているアスベストの対策について指針を設けています。その中で、平成18年8月31日以前に施工されている建築用塗材は石綿含有仕上げ塗材である可能性があり、事前に石綿含有の有無を調査し、吹き付け工法により施工されている場合、その石綿含有仕上塗材は大気汚染防止法が規定する 「吹付け石綿」に該当するとしています。