(1)その年の世相をあらわすものとして新語・流行語大賞があるが、今年はプロ野球最年少3冠王のヤクルト村上宗隆選手を讃える「村神様」が選ばれた。
今年は1年を通してウクライナ戦争にその影響を強く受けた政治、経済、軍事、IT関連が色濃く出た社会であったが、それらは今年の新語・流行語大賞の上位にはほとんど顔を出していないものとなった。
(2)ゲームの「メタバース」(仮想現実社会)、「アバター」(分身)は東大の中高生、社会人対象のリスキリング講座「メタバース工学部」の設置にまで発展して、政府の推し進める「リスキリング」とともに社会現象となっていて上位にランクインしてもいいものだが入っていない。
(3)ツイッターを買収して従業員を大量解雇し米トランプ前大統領のアカウントを復活したイーロン・マスク氏も話題は大きかったが同様だ。マイナンバーカードに乗せる国民健康保険証、電子マネー給料、大臣辞任ドミノ、石油高騰物価一斉値上げも大きな話題だったが上位にはランクインしなかった。
(4)近年話題となる短縮型若者言葉もなく、海賊版映画を超速度で短縮して見せる違法早送り映像も話題になったがこちらも上位にはなく、今年の新語・流行語大賞からは世相、社会性は伝わってこないものが大半だった。
(5)それがパラドックス(paradox)として今の世相、社会をあらわしているといえばそれまでで、SNSで内向きの同調志向型で確固とした発信力、発言力の弱い世相、社会を代表しているように感じる。
大賞「村神様」も思い出すのはかってのプロ野球名投手の「神様、仏様、稲尾様」に通じるもので新鮮さは感じない。
(6)SNSの世界に閉じこもり、自己主張しているしているつもりでも同調性、同質性、同様性を求める仮想現実社会(メタバース)、メタバース・リアリズム(meta-verse realism)が見えてくる。