いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

レジリエンス(復元力)とイミュニティ(免疫力)。 resilience and immunity

2022-12-05 20:19:54 | 日記
 (1)昨年から北朝鮮はかなりの頻度で日本海に向けてミサイル発射を続けている。中には日本のEEZ内や日本の上空を通過して太平洋側に着弾したものもあり、政府、与党には日本の安全、防空、防衛体制の整備、検討が急がれて他国からの攻撃に対して当初「敵基地攻撃能力」の保有が打ち出されたが、憲法第9条の「専守防衛」論の理念、精神から逸脱するとの懸念が強く「反撃能力」と表現を変えて与党間で合意となった。

 (2)しかし報道では「反撃能力(敵基地攻撃能力)」と記載されており、どこが違うのかわからない。「敵基地攻撃能力」では、他国から攻撃される日本がどの段階で他国の敵基地をたたくのかが議論になり、他国が攻撃着手することがわかった段階で敵基地を攻撃できるとの論理もあり、これでは先制攻撃になりかねず日本の専守防衛論から逸脱するとの懸念が強く、攻撃された時に反撃する軍事手段、能力「反撃能力」との表現に変更された。

 (3)しかしそれで実際に日本の安全保障、防衛になるのかも議論はあり、防衛上の問題は仔細、細部まで情報公開しないことが安全保障、防衛策として有効だとの考えもある。そういうこともあっての「反撃能力(敵基地攻撃能力)」表記なのかはわからない。

 (4)しかしそれ以前の問題として、北朝鮮が日本上空を通過するミサイルを発射して対象地域のアラートが発せられた時点ですでにミサイルは日本上空を通過していたとか、逆に日本上空を通過したと報道(政府発表によるもの)されたものが手前の日本海側に着弾したものであったなど安全情報収集体制に根本的な問題が露呈しており、イージス(ミサイル迎撃システム)体制を含めて「反撃能力」以前の「迎撃能力」に課題、問題のあることがわかっている。

 (5)攻撃は最大の防御といわれることはあるが際限はなく、国家間、国際社会では攻撃はおろか反撃能力を持つこと自体が近隣国から警戒感を持たれて敵対、非友好、紛争の火種にもなり、もちろん憲法第9条の理念、精神を遵守しなければならない前提問題だ。

 (6)北朝鮮は核実験再開の準備を進めている(衛星画像分析)といわれ、これに韓国も独自に核兵器開発を進めるという報道もあり、狭い朝鮮半島を二分する韓国と北朝鮮がともに核兵器を保有して対立するなどとはまったくの非現実的、空虚な自滅防衛論であり、しかし国家間の対立であり、一触即発の懸念はあり、茶番ではすまされない国防、防衛問題のむずかしさだ。

 (7)中国は北朝鮮の核保有には反対を表明しており、北朝鮮の軍事行動に一定の影響力、制約を発揮すべき立場にあり、米国、日本などへのアンチテーゼ(antithesis)に利用するだけでなくレジリエンス(resilience)とイミュニティ(immunity)の国際社会への責任を果さなければならない。

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