(1)自民党政権が改憲、防衛政策で違いのある公明党と連立を進めたのは選挙での公明党の支持母体である創価学会の強い集票力に期待したもので、安定政権維持のためのものであった。その公明党も近年の国政選挙では得票数を減らして議席が伸びずに、安倍政権での集団的自衛権の行使容認や岸田政権での反撃能力(敵基地攻撃能力)保有論で政府、自民党の防衛力強化方針に同意して(反対できずに)、自公連立政権での影響力低下がみられる。
(2)憲法改正では自民党は現在衆院で単独3分の2以上の議席を有しているが、参院では公明党の協力がなければ3分の2以上必要の改憲発議ができない状況にある。公明党は従来から改憲には慎重な姿勢を示しており、一方、日本維新の会、国民民主党は改憲に前向きで公明党に代わる改憲勢力として政府、自民党からの期待も大きい。
(3)そこに今年政治問題化したのが自民党議員中心に旧統一教会の固い集票力に期待しての選挙協力が政教分離の原則、霊感商法などで社会問題のあった旧統一教会との深いつながりが批判されて政治問題として国会で追及を受けている。
自民党内には従来から公明党の支持母体である創価学会への強いアレルギーがあり、選挙でも旧統一教会の組織票、集票力に頼る潜在的な公明党離れがみられる。
(4)そこに報じられた国民民主党の連立政権参加の報道だ。国民民主党はガソリン税のトリガー条項解除と引き換えに今年度政府予算案成立に野党として異例の賛成をして政府、自民党に接近する姿勢をみせていた。
(5)国民民主党の連立参加報道には、岸田首相は「私自身は考えていない」(報道、以下同じ)、公明党山口代表も「全くうかがったことがない」、国民民主党玉木代表も「報道された事実はない」とことごとく報道内容を否定している。
(6)それぞれに表に出せない思惑はあるのだろうが、そこには自民党内の改憲、防衛政策推進派の思惑、動き、戦略がみえるもので、集票力の低下が止まらない公明党の連立政権内の立ち位置にも影響が出る報道だ。