(1)東京都知事選は投票率60.62%と最近では高い関心を集めて、久しぶりに無党派層の動向が影響をみせた結果となった。都議会選を重視する公明党の票の掘り起こしも高投票率、小池支持につながったと考えられる。
②小池知事が公明票目当てで自公政権寄りの姿勢をみせ、無党派層が蓮舫候補でなく既成政治批判でSNSを駆使する手法の石丸安芸高田前市長候補に向かわせ、小池知事に有利な展開をみせた。蓮舫候補には思惑違いが出たが、計算上では石丸、蓮舫候補で小池知事と互角の選挙になっていた。
(2)バイデン大統領に対して民主党内からの大統領選撤退の動きが収まらない。高令のバイデン大統領では大統領選に勝てないという民主党内のバイデン撤退を求める議員団を結成する動きだが、世界の自由主義を主導する民主主義国家のやり方ではない。
中国、露と対峙し、両国の政治体制を批判している米国としてはあってはならない反民主主義な政治行動だ。
②バイデン大統領に不満があるなら、それに勝てる党内有力候補者を擁立して指名争いで決着をつけるのが民主主義政治のあり方だ。高令バイデン大統領に代われる有力政治家が育っていない人材不足だ。
③民主党政権伝統の社会マイノリティの黒人層への理解、支援が政策に反映せずに、同じく米国経済の恩恵を受けてこなかった白人マイノリティの若者層が共和党トランプ前大統領の米国第一、保護主義を岩盤支持する逆転現象がみられる。
(3)次は9月の自民党総裁選だが、こちらも意欲を見せる常連議員、岸田首相と距離をみせる勢力の動きは伝えられるが、ギリギリまで様子見で相手の出方を見る戦術だ。都知事選でも蓮舫議員が先陣を切って(それまで所属の立憲推薦候補の勝利が続いて)立候補を表明した前のめりで、小池知事は公務優先で余裕の様子見が続き、期限が迫っての満を持しての立候補という最近よくある手法だった。
②前回の総裁選では再選を目指すとみられた菅首相(総裁)の辞退を受けて、いち早く岸田首相が立候補を表明して「流れ」をつくりそのまま総裁、首相にかけあがった。機を見るに敏はいろいろある。
③こちらはパーティ券裏金問題を受けての派閥解消の影響がどう出るのか、次の総理にふさわしい人の世論調査で名前があがっている議員はいるがどんな政治信条、理念、思想でどんな政策、方針を打ち出して実行するのかもわからずに、興味本位でしかない。
④立憲民主党も低落した自民党支持率と肩を並べる(低レベルでの争いだが)支持率まで来ているが、都知事選では前職が敗北して勢いは止まり、日本の政治も仕切り直しだ。久し振りに無党派層の動向が影響力を示して、政治を変える期待感が出た。