(1)自民党のパーティ券裏金問題で派閥解消、処分、規正法改正に揺れる岸田首相に対して、立憲民主党の泉代表は逆提案として解散総選挙で国民の信を問うことを迫りながら内閣支持率低迷の岸田首相を追い込めずに、維新、国民民主とも反発し合って野党連携も組めない宙ぶらりん状態が続く。
(2)4月の衆院3補選、静岡県知事選で立憲推薦候補の勝利が続いて、しかし余勢を駆っての東京都知事選では蓮舫候補が3位と後退してその勢いを止めてしまった。そこにまたまた顔を出してきたのが立憲の小沢一郎衆院議員で、9月末に改選の泉代表に対して「結局何もやらなかった。泉でやったら、また沈没じゃないか」(報道)と9月の代表選に泉代表が立候補することに否定的な考えを示した。
(3)どうしてこんな自民党元幹事長として政治とカネ、密室政治、既得権益保護を支えた小沢一郎議員を革新野党の立憲民主党が受け入れるのかわからない。小沢議員の地盤の岩手選挙区では絶大な影響力を誇示して当選を重ねたが、近年の選挙では小選挙区で敗北して、比例で復活当選するという政治影響力も落ち目に差しかかっており、自民党に代わる政権交代を画策して政治信条、理念を無視した野望政治行動が特徴だ。
(4)09年民主党政権誕生では保守自民から革新民社まで幅広い結束を主導してみせて、自民党政権に代わる本格的な政権交代を実現しながら党内の保守、革新の路線の対立のあげくに、「決めれない政治」として国民の批判を受けて3年半で政権自己崩壊した。
こういう教訓が民主党の流れを汲む今の立憲にはないのか、またぞろ小沢議員が党内から足を引っ張る発言で泉代表を批判している。
(5)これでは民主党政権自己崩壊と同じ構図で、立憲執行部もその時の反省に立って党結束のために対応、尽力できないでは低レベルながら自民党支持率と肩を並べるまでの野党第1党立憲の立場、信頼が損なわれるだけだ。
(6)立憲のみならず野党横断で田中角栄研究会が設置されて、田中政治を見直す動きもみられる。田中角栄元首相は自民党の政治とカネ、密室政治、既得権益保護、日本列島改造論で利権、利得政治を進めてロッキード賄賂事件で首相経験者として逮捕された政治家であり、少なくとも革新政策の立憲とは相容れないもので異質な動きにみえる。
(7)小沢議員の政治的野望に立憲が巻き込まれる姿は見せてはならない。