(1)トランプ大統領がカナダを51番目の米国州だと言っていることが冗談には聞こえないほど領土拡大主義を唱えて、世界はアメリカか、アメリカでないかの世界観で世界の国境をつくり変えるほどの勢いに聞こえる。
米国第一とは世界はアメリカかアメリカでないかの二択で、アメリカ的な自由、自主、自立、寛容、多様、みんな同じでひとつ(inclusive)ではないという考えだ。
(2)ウクライナで起きていることは露がもともとソ連邦であったウクライナが西側EU、NATOに迎合されることに露が異議を唱えての侵攻と受け取られて、国境の選別が軍事力、侵攻、威圧で変えられる世界、時代を迎えている。
国境を巡る争いは日本でも尖閣、竹島、北方4島で争いが起きており、他人事ではない。トランプ大統領が目指しているのは世界がアメリカかアメリカでないかの米国第一主義だ。
(3)EUはモノ、カネ、ヒトの自由往来を掲げて連合化したが、EU内で国家、社会の区分、国境は残して基本的にEUがEUでないかのように区別ができなかったことが不満、英国の離脱となって顕在化した。
本来ならEUはモノ、カネ、ヒト、「国境」の自由化が果たさなければ存在意味はなかった。ウクライナ戦争もEUから国境がなければ違った展開になったのではないかと想像する。
(4)トランプ大統領が世界に突き付けているのはアメリカかアメリカでないかの世界観であり、そうなれば日本も大きな選択をしなければならない。カナダと違って地続きでもないし離れすぎているが、気持ちの中にはハワイ州、アラスカ州のように飛び州もある。
米国第一というのはさらに発展してアメリカかアメリカでないかの選別であり、就任演説での米国の「黄金時代」は米国大陸発見の開拓時代の思想、考えに聞こえる。
(5)多様性も否定してそちらかこちらかの発想であり、米中外交代表の電話会談でも中国に強硬なルビオ米国務長官は王毅中国外相に米国第一主義を伝えたといわれる。米国第一はトランプ大統領の中では自国利益、経済、貿易、権利だけの問題ではなく、世界がアメリカかアメリカでないかの区別、考えにみえる。
(6)世界がアメリカ主義(あえていうなら)と専制、独裁国家の対立とみるならそうは違いはない。