いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

現実と空想の間

2009-04-26 14:15:15 | 日記
 もう10年前になりますか。「パラサイト・イヴ」という、小説が
話題になり、映画にもなりました。数億年も前の遺伝子が生物に寄生
して生き延びて、今ヒトの細胞を乗っ取るという医学的にも裏付けら
れたという、しかし当時はホラーという触れ込みでした。

 どうですか、その後、鳥インフルエンザなるものが横行し、当初は
人間には感染しないと言われて、外国ではそれが原因で亡くなった人
がでてくる。日本でも、たびたび鳥への感染が確認されて、そのエリ
アを封鎖して全身予防服を着た作業者が消毒液を噴霧する、かっては
映画の世界で見た光景が展開されている。

 そこへきて、今度は豚インフルエンザだ。メキシコと米国で人への
感染が起きて、発表も遅れて出されて、すでに1000人以上が感染
して70名弱の死亡者も出ている。人と鳥型インフルエンザが混ざり
変異したものかとの憶測もあり、人から人への感染が確認され、世界
的大流行に備えるレベルに達する懸念がある。

 もはや、パラサイト・イヴの世界が小説だけの世界とはいえない現実
を見た。

 今度は、日本。犯罪者を取り調べ中の担当者がその最中に居眠りを
して、その隙に犯罪者がその場から逃走した。途中、暗証式のドアも
クリアーしての逃走と伝えている。その続報で、どうも、取り調べ中
に隙を見て取調員の飲み物に睡眠薬を混入した形跡があるという。取
調員の体内からも成分が検出されている。まんまと、睡眠薬入りの飲
み物を飲ませて居眠りを誘い逃走したというのだ。

 これって、テレビドラマ、映画でよく見るシーンそのものじゃない
か。

 空想科学、超常現象が「現実」に追いついてきたのか、「現実」
(の何か)が空想科学、超常現象を常態可能にしてきたのか、何がお
きても不思議でない世界になった。

 人間も手をこまねいているわけではない。人工多能性幹細胞(iPS)
の作製で、ヒトの細胞から神経、心筋、軟骨等さまざまな細胞へ分化さ
せることが可能になった。自分の細胞から分化するので拒否反応がでな
い。
 この研究者たち、いつかの空想科学映画でのあの絶対絶命の危機にも
沈着冷静で果敢なイメージそのものの科学者に見えてきて、「現実」にも
大いなる希望の光もある。しかもこの光は、昔と違って発光ダイオードだ。


 

 

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