いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

原始的でもなく超進歩的でもない

2009-04-30 21:40:40 | 日記
 食事は、欧米では語らいの場として、ゆったりと時間をとって
日本では、素材そのものを楽しんでもくもくと、というのが特徴
的に言えばそうなるでしょう。

 欧米では、器はあくまで幾何学的に合理的で、大きな素材を
包容し、分けて食べる。時間の流れを計算にいれて、ひとつひと
つ順に提供する。日本では、素材の良さを活かす器で、時には
器そのものを楽しむように、配置も計算に入れて、すべての素材
を並べて食べる。

 文化には歴史観、価値観の多様性が反映されて、それぞれの
存在意義があり、よさがある。

 北欧を代表とした食事文化としてスローライフと言われるもの
がある。育てて、その素材を活かした素朴な手料理で食事を楽し
む生活文化だ。

 日本でも、家に庭があった時代には、簡単な野菜や果実を育て
て、季節を感じとって食べていた。スローライフだ。
 庭先で育てた朝露のついた「みょうが」を摘んできて、刻んで
朝の味噌汁に入れて食べたものだ。そりゃ、舌先が鮮度を感じて、
香りがまた特段によかったものだ。
 「いちじく」なんかは、おいしい頃をカラスのほうがよく知ってい
て、先においしいところを食べられたものだった。

 近代化、先進国といわれる文化圏で、生活環境の変化により存
在する多くの人間資産が平均値化して、一方、いまだに時間の歩
みを急がない文化圏の生活習慣が求められる。

 時代の経験にもとづく歴史観、価値観の共有による、原始的でも
なく超進歩的でもない、あたらしい時代の文化としての人間資産の
平均値化が創造されていく。

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