最近のメディアの信じがたい歪みがふたつ。
ひとつは、少年事件で、専門医の鑑定にもとづく供述調書が取材者
(作家)に提供され、ほとんどそのまま本として出版された。
少年事件は内容が基本的には公表されないことになっており、かか
わった専門医等が仕事上知り得た情報は正当な理由がないと外部に
漏らしてはいけないと法律で規定されているんですね。
報道によると、鑑定と判決の基本的な違いに疑問を感じて、取材者
への情報提供というバイパスを使って、社会に問うた、ようです。
取材者(作家)は調書のほとんどそのままを本にしたので、情報漏
れ、その提供者も判明したということだ。
医者としての専門行為と司法の判断というまったく独立して干渉を
受け入れない分野に対するいわば「横やり」をメディアを使って操作し
た大変「幼稚」な思考ですよ。最近の医療界(病院を含めて)の倫理観
の欠如をもろに示した事例です。
また、その情報(調書)をほとんどそのまま活字にして公開した、
取材者(作家)のあきれるばかりの不見識(幼稚さ)には驚かされま
す。確信犯(情報漏れ、情報源も見てくださいとばかりでしょう)と
いえますが(本人だけにとどまる影響であればそういう決意もあるで
しょう)、メディアでは情報源を守るというのが大原則で、メディア業界
そのものへの影響の大きさ、まったく別の世界の情報提供者を巻き込
むことがあきらかな状況での出版は大変「幼稚」な思考だ。
どうですか、知らしめる権利などと言って、功(スクープ)をあせった
としたらメディアの倫理感も問われ、とるべき責任も大きい。
もうひとつ、時効が来た大事件で、その後、実は実行犯だとした人
物の手記を掲載した出版社。大変なスクープとして、何号か連載した
後、その手記を提供した人物から、それは事実じゃないと告発された
事例。
結果として、出版社は告発者の言い分を認め、それでも「うそ」を
見抜けなかったとして謝罪した。
いろいろ言い訳を綴っているようだけど、取材、記事に言い訳は無
用でしょう。あとで、言い訳のとおるような記事にどれだけの価値と
真実を見いだせばいのですか。これは、もろにメディアの信用を失墜
して、倫理観の欠如を露呈しました。大事件に目がくらんで功(スク
ープ)をあせったとしたら、あまりの幼稚さだ。
メディアが最後の牙城となるはずの真実を伝える「こころ」の持ち
方の有り様に対する、そのメディアからの倫理観の欠如と幼稚さ。
手段を選ばず、結果(功)だけを求め、評価される歪んだ社会のプ
ロセス崩壊の歯止めが利かない。みんなで、考え直そう。
ひとつは、少年事件で、専門医の鑑定にもとづく供述調書が取材者
(作家)に提供され、ほとんどそのまま本として出版された。
少年事件は内容が基本的には公表されないことになっており、かか
わった専門医等が仕事上知り得た情報は正当な理由がないと外部に
漏らしてはいけないと法律で規定されているんですね。
報道によると、鑑定と判決の基本的な違いに疑問を感じて、取材者
への情報提供というバイパスを使って、社会に問うた、ようです。
取材者(作家)は調書のほとんどそのままを本にしたので、情報漏
れ、その提供者も判明したということだ。
医者としての専門行為と司法の判断というまったく独立して干渉を
受け入れない分野に対するいわば「横やり」をメディアを使って操作し
た大変「幼稚」な思考ですよ。最近の医療界(病院を含めて)の倫理観
の欠如をもろに示した事例です。
また、その情報(調書)をほとんどそのまま活字にして公開した、
取材者(作家)のあきれるばかりの不見識(幼稚さ)には驚かされま
す。確信犯(情報漏れ、情報源も見てくださいとばかりでしょう)と
いえますが(本人だけにとどまる影響であればそういう決意もあるで
しょう)、メディアでは情報源を守るというのが大原則で、メディア業界
そのものへの影響の大きさ、まったく別の世界の情報提供者を巻き込
むことがあきらかな状況での出版は大変「幼稚」な思考だ。
どうですか、知らしめる権利などと言って、功(スクープ)をあせった
としたらメディアの倫理感も問われ、とるべき責任も大きい。
もうひとつ、時効が来た大事件で、その後、実は実行犯だとした人
物の手記を掲載した出版社。大変なスクープとして、何号か連載した
後、その手記を提供した人物から、それは事実じゃないと告発された
事例。
結果として、出版社は告発者の言い分を認め、それでも「うそ」を
見抜けなかったとして謝罪した。
いろいろ言い訳を綴っているようだけど、取材、記事に言い訳は無
用でしょう。あとで、言い訳のとおるような記事にどれだけの価値と
真実を見いだせばいのですか。これは、もろにメディアの信用を失墜
して、倫理観の欠如を露呈しました。大事件に目がくらんで功(スク
ープ)をあせったとしたら、あまりの幼稚さだ。
メディアが最後の牙城となるはずの真実を伝える「こころ」の持ち
方の有り様に対する、そのメディアからの倫理観の欠如と幼稚さ。
手段を選ばず、結果(功)だけを求め、評価される歪んだ社会のプ
ロセス崩壊の歯止めが利かない。みんなで、考え直そう。