ひびレビ

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何度目かのガメラ3

2014-08-28 06:31:09 | 特撮
たまたまBSの番組表を見ていると、そこには「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」の文字が・・・

絶望した!ゴジラに気を取られて、平成ガメラの放送に気がつかなかったことに絶望した!

ゴジラのみならず、テレビでガメラを見る機会も殆どなかったので、早速観賞。やっぱりイリスは非常に美しく、そして怖い怪獣だと改めて思い知らされました。そしてニュース番組の顔ぶれに懐かしさを感じました。日テレのお昼と夕方のニュースといったら、あの方々だったなぁ・・・映画公開が平成11年。もう15年も前になるのか・・・


さてガメラ3では、これまでギャオスやレギオンと戦ってきたガメラの被害について語られています。確かに怪獣は倒したけれども、その過程において様々な被害があったのもまた事実。本作は「人間の被害」が、より顕著に描かれていた作品でした。

ニュースではギャオスハイパーは「落下した」、ガメラは「渋谷の町を破壊した」と扱われていました。本来、ギャオスハイパーを倒すために現れたのに、人間からは破壊者扱いされています。実際には2匹目のギャオスハイパーが破壊活動を行っていたので、ガメラはギャオスハイパーによる被害までも押しつけられたように感じます。
大勢の人が怪獣たちの戦いに巻き込まれ、負傷し、死亡したこの出来事。しかしながら、ガメラに助けられた少年もいました。「ガメラは僕を助けてくれたよ。ガメラが助けてくれたよ!」と母親に向かって叫んでいました。ガメラによる被害者もいれば、ガメラに救われた人間もいる。見方によって、ガメラは守護神にも、破壊神にもなりえます。そのどちらかだけが正しいガメラ像ではなく、2つを併せ持つのがガメラだと思います。

レギオンとの決着時、大量のマナを消費してまで倒したことは「ガメラにとってギリギリの選択」と考えられていました。ガメラは、レギオンを倒すためとはいえ、この状況を作り出してしまった責任を感じているのかもしれません。
そんなガメラに対し、「わたしはガメラを信じます」という少女もいれば、「わたしはガメラを許さない」という少女もいる。例え許されなくともガメラは戦い続けるでしょう。実際、ガメラは人間との関わりを断ち切ろうとしても断ち切れず、自身を危険にさらしてまで命を救っていました。

イリスに取り込まれかけた少女・綾奈は「ガメラが両親を殺した」という側面ばかり見ていました。しかし、両親がガメラに殺された瞬間の回想シーンで、ガメラの見つめる先にはギャオスがいました。ガメラもただ人間を殺したのではなく、ギャオスを倒す過程で殺してしまったのだと思います。だからといって、ガメラの行動を「仕方なかった」と許すこともできないでしょう。憎い相手に救われ、その行動理由を知り、命を救われた綾奈。果たして大量のギャオスハイパーの群れに立ち向かうガメラを見て、綾奈はどのような声を送るのか、気になるところで幕引きとなります。

尋常じゃない数のギャオスハイパーに、ガメラと自衛隊が共に戦って勝ったとしても、地上への被害が懸念されます。ギャオスハイパーがわざわざ被害が抑えられる海上で戦ってくれるとは思えません。上空で撃墜したところで、撃墜したギャオスハイパーが地上に落下し・・・考えたくもありませんね。

力を奮う以上、誰も、何も傷つけずに戦い、守ることは難しい。そんなことも考えさせられる「ガメラ3」でした。
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