ひびレビ

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「ディープ・ブルー」(1999)(吹替版)を見て

2017-04-10 07:40:58 | テレビ・映画・ドラマ
 1999年の映画「ディープ・ブルー」を見ました。WOWOWだとタイトルに(1999)とついていたので、記事タイトルもそれに合わせましたが、同名の映画があるんですかね?

 舞台は海上の研究施設「アクアティカ」。そこではサメを利用したアルツハイマーの治療薬の研究が進められており、期限が目前に迫る中、ようやく光明が見えてきていた。だがその直後、突如サメが職員の腕を食いちぎるという行動に出た。負傷した職員をヘリで運んでもらおうとするも、嵐のためコントロールがきかず施設に激突し、炎上。更にはサメによって海中の研究所にも浸水が始まり、施設全体が崩壊し始める。果たして人々は浸水の恐怖と知能が発達したサメの襲撃から逃れることは出来るのか・・・


 以前、日曜洋画劇場か何かで終盤をチラッと見たことがあり、前々から気になっていた映画でした。その時「コックが強い」という印象を抱いていたのですが、今回改めて視聴して「コックが強い」という印象が正しかったことが分かりました(笑。

 医学の発達のためとはいえ、凶暴な生物の知能を発達させるとロクなことにならないだろうなぁ・・・と思っていたら、予想以上に大変な事態になっていきました。大型のサメというだけでも怖いのに、それが知能を持って襲ってくるのだからたまったものではありません。音も予兆も無く突然現われては人を食い殺す様には恐怖させられっぱなしでした。
 特に仲たがいをし始める人々を何とか落ち着かせ、集団行動を取らせようとする人が後ろからパックリいかれたのにはゾクッとしましたね・・・確かに水際は危険だという話は出ていましたが、話の途中でああもいきなり来られるとは思いもせず。
 他にも、人々の恐怖を煽るためか、単にガラスを割るためか、はたまたその両方か分かりませんが、ヘリで運んでもらおうとした負傷した職員を、担架ごと職員たちがいる施設のガラスにぶつけるという行動も怖かったです。

 主に活躍するのはサメの扱いに慣れているカーターなのですが、他の人物も施設の構造を説明したり、みんなを落ち着かせたりとこの緊急事態に何とか対処しようと頑張ってくれます。
 ヒロイン?のスーザンも、最初は研究成果惜しさに仕留められるはずだったサメを逃がすという行為に出ていましたが、次第にサメの犠牲になっていく仲間たちを目の前にして考えを改め、自らサメを始末するところにまで考えを変えるに至っていました。最初は「何だこの人!?」と思ってましたが、サメに対する考えを改めたあたりで「ようやくわかってくれたか」と思い、最後のサメをカーターとスーザンが協力して仕留め、助けが来るのを待ちながらキスシーンで締め!・・・だと思っていたら、まさかの・・・には驚かされました。本当にこのサメ、容赦無い・・・


 とまぁ、そんな感じで迫り来る水と知能を持ったサメの恐怖、追い詰められ感情をむき出しにしながらも何とか生き延びようとする懸命な人々も描かれる映画なのですが、やはり一番印象に残ったのはコック・プリーチャーの活躍でした。
 プリーチャーは当初カーターたちと別行動を取っており、施設がヤバイことになった後、が狭い空間でサメに追い詰められてしまうシーンがあります。「あれ?コックが生き残っていた気がするけど、ここで死ぬのかな?」と思っていたらまさかの大逆転。これだけでもカッコいいというのに、その後カーターたちの危機に現われる姿はまさしく救世主。何だろう、あの妙な安心感。

 その後も遺書としてビデオにメッセージを録画する際の台詞が良かったり、サメに食われてもうおしまいかと思われたら手にした十字架で何とか難を逃れるわ、最後の最後まで活躍するわと予想を遥かに上回る活躍を見せてくれました。
 カーターに関しては主人公っぽいのと、サメの扱いに慣れているという点で生存に関しては安心感があります。しかしプリーチャーに関しては「事情の分からぬままサメに食い殺され、後からその残骸(十字架など)が偶然発見され、登場人物たちにサメの恐怖を与える」という役回りであってもおかしくないと思います。そんな彼が最後まで生き残り、しかも単独で1匹、協力して1匹と、3匹中2匹のサメ討伐に関わるなんて思ってもみませんでした。

 極限的な状態においては、誰がいつ食われるか分からない。その一方で誰が生き残るかも分からない。主人公やヒロインが生き残るとも限らず、モブっぽいからといって生き残らないとも限らない。そんな当たり前のようで、映画としてはどこか新鮮な驚きを与えてくれた作品でした。
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