ひびレビ

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「老後の資金がありません!」を見て

2022-09-08 07:51:45 | テレビ・映画・ドラマ
 2021年の映画「老後の資金がありません!」を見ました。

 舞台はごく普通の一般家庭。主婦・篤子は老後の資金について考え始めたものの、義父の葬儀費用や娘の結婚費用など、お金は出ていくばかり。そこへ追い打ちをかけるようにトラブルが続く中、義母との同居が決まる……といった感じの物語です。

 「人生百年。生きているかぎりお金は出ていきます」冒頭で評論家が語っていたとおり、次から次へとお金は出ていく。貯めようにも貯まらない。計画的に使っているつもりでも、予想外の出費は付き物。冠婚葬祭は身内だけの話ではないため、簡単に安く済ませられるものではない。今の仕事をいつまで続けられるか分からず、ずっと健康とも限らない……そうした等身大の問題の数々が描かれた作品でした。
 最初は「老後の資金稼ぎにまつわるドタバタコメディー」を期待して見ていたため、思いのほか落ち着いた内容に少々退屈さを感じる場面はあったものの、描かれる内容が自分の身や周囲の身にも起きかねないことだったため、「自分だったらどうするか」を考えながら見ていました。篤子の友人からの頼まれごとの件は……さすがに起き無さそうですが(汗。あそこだけ少々雰囲気が違うように感じます。

 また、「義母との同居で、食事や生活にあれこれ文句つけられるんだろうなぁ」「就職が決まった息子が何かやらかして、内定取消になりそう……」といった予想もしていたのですが、トラブルが続くことこそあれ、上手くいくことの一つや二つ、あってもおかしくないですしね。こういうところのバランスも良かったと思います。

 ただ、結末は意外なものでした。中盤そういった描写はあったため、唐突な展開というわけではありませんが、今の私では決して選ばないであろう選択肢だったがために、意表を突かれた形となりました。もし両親がああいった選択をしたら、その選択は尊重すべきだとは思う一方で、寂しい気持ちもありますね。
 本作では、最初から「老後はこう暮らすべき!」「そんな暮らしはあり得ない!」と決めつけたり否定してかかるのではなく、様々な選択肢・可能性を視野に入れることの大事さを描写していたのかなと。


 そんな感じで、思いのほか興味深く見させていただいた作品でした。
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