ひびレビ

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「ゴールデンスランバー(韓国版)」を見て

2023-05-16 07:56:02 | テレビ・映画・ドラマ
 2018年に韓国で公開された「ゴールデンスランバー」を見ました。原作未読ですが邦画は視聴済みです。

 「主人公キム・ゴヌは著名人を救ったことで時の人となった配達員」「ゴヌは組織の手によって政府の重要人物を狙った事件の犯人に仕立て上げられる」といった大筋は邦画と同様です。周囲が何といおうと息子の無実を信じる父親などのシーンも残っています。ですが、邦画が鬼から逃げることを主体とする「鬼ごっこ」ならば、こちらは鬼から逃げつつも反撃の機会を伺う「缶けり」的な映画といった印象を受けました。

 個人的に大きく違うと感じた点は二つ。一つは組織と関わりのある人物・ミンの登場です。当初はゴヌを売り渡そうとしていたミンと色々あった末に長きに亘って行動を共にすることになるため、邦画よりも孤独感は薄れています。中盤からは、組織の手によって作り出された偽者のゴヌを捕まえるべく行動を開始するため、組織との対決感が増しているように感じました。
 また、邦画では主人公を影ながら支えるヒロインの出番が多めでしたが、そのヒロインの役回りが、だいぶ彼に回されているように感じました。本作のヒロインも活躍しないわけではないものの、邦画と比べると控えめでしたね。邦画のヒロインの行動力が凄すぎるのかもしれませんが。

 二つ目は結末が大きく異なる点です。邦画のどこか寂しく、けれどもほのかな温かさを感じるラストだったのに対して、本作はハッピーエンドと呼んでも差し支えの無いものだったかと思います。前述のとおり対決感マシマシだったこともあってか、「勝利した」という印象がより強く感じられます。
 邦画の全てが繋がった瞬間の感動や「頑張れ……!」と影ながら応援したくなる結末も好きですが、他の誰でもないキム・ゴヌを勝ち取るために奮闘した本作の結末も、これはこれで後味が良いですね。

 敵組織の詰めの甘さを感じるシーンはあったものの、概ね楽しめる作品でした。
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