辻井伸行「熱情」

2015-03-21 19:17:03 | ライヴ
去年に引き続き今年も辻井君のピアノコンサートに行ってきました。

今年も去年同様、演奏曲は違いますが、ショパンとリストの曲、そして今回はベートーヴェンのピアノソナタを演奏して下さいました。

正直、辻井君に限らずピアノ演奏となるとまるでショパンとリストしかいないのか!?と言いたくなるくらいショパンとリストは演奏される率が高いので、バレーの「白鳥の湖」みたいなイメージ…、個人的に飽きがきてお腹いっぱいなところはあるんですが、テクニックにおいては、やはりショパンとリストは1位2位を争うと思っているので(わたくしは音楽のプロじゃないので実際は分かりませんが…)、今回も辻井君の指さばきには感服しております。

本当に目が見えないのか不思議に思うくらいの記憶力と集中力と表現力に感銘を受けてます。本当に素晴らしい!

今年はベートーヴェンのピアノソナタがあって、アンコールでは、辻井君オリジナル作曲の映画「マエストロ」の曲を披露してくれて、改めて思ったことは、リストもショパンもベートーヴェンも狂ってるよね~と思ってしまった。

辻井君のあまりにも素直で優しいオリジナル作曲を聴くと、上記三名の心の内面の爆発を表現した曲調に憐れみを感じてしまった。

曲を作ることの大変さや名誉とか見栄とか虚栄心が露骨に顕れてして、テクニックより心だろ!と言いたくなるくらい素直さがないな~と思ってしまった。もちろん、♪ノクターン♪みたいに心を豊にしてくれる曲もあるけど、今日聴いた曲は見えない何かと闘っている姿が浮かびました。辻井君の演奏力を問題視しているんじゃなくて、作曲家自身の人間性を私なりに分析想像しただけなので悪しからず…。

強迫的に曲作りをするんじゃなく、余裕が欲しいな~と思った。技術も大事だとは思うけど、私はイメージの方がもっと大事だと思う。絵が浮かばない曲はいくら世間では名曲と評されてても、私は嫌い。それを思うと今は、ラフマニノフが私には癒しですね。次回はラフマニノフの曲を宜しくお願いしますm(__)m

今日のまとめ:辻井の演奏している勇ましい姿と、深々とお辞儀をしている姿や話をしている時のあどけなさとのギャップが辻井君のもう一つの魅力やなと改めて思った。あと、大阪人を喜ばせる言葉をちゃんと心得ているとこが、しっかりしてるな~と思った(笑)