「マリー・アントワネット」

2021-03-03 23:31:47 | ミュージカル
めっさエエやんかいさー!!

めっさ泣けるぅー!!!

いやいやいやいや、

演出脚本変われば全て変わる!

2006年版と全然印象が違う!

全く似て非なるものでした。

本当に素晴らしかったです!!!!!

ぶっちゃけ書いて申し訳ないですが、2006年版の印象は、全く良くなかった。

マリー・ アントワネットは、まるで表現は悪いですが、女というより雌でした。そして、フェルセンもまた雄でした。ぶっちゃけ誰にも感情移入出来ませんでした。

が、

今回は、マリー、マルグリット、ルイ16世、フェルセンにめちゃくちゃ同情と感情移入してしまい、第2幕目は涙涙でした。

2006年版のマリーは雌でしたが、お花マリーは、

完全なる少女でした!

世間知らずの女性ではなく、純粋に少女のまま大人になり、恋も結婚も自由。ワガママな女王様ではなく、自由な発想の少女なんです。フェルセンも国王も子供達も平等に愛しているんよ。そこに罪悪感はなく、ただただ純粋に無邪気な少女のまま大人になっただけのこと。

な印象を受けました。

そして、ルイ16世もまた少女のようなマリーを見守るパパのような存在。決して国王の素質はないけども、国民に対しては最後まで寛大であった国王でした。

マルグリットは、最初は贅沢三昧な王妃に対して革命を起こそうとする側の人間であったけども、王妃の監視役に命じられたことで、真実の王妃の姿を目の当たりにする。

そこに写っていたのは、贅沢三昧のワガママな女王ではなく、誰に対しても平等に愛を与えている女性であり、今までの王妃像は革命派によって刷り込まれた虚像であることに気付く。

王妃とは同じ父親であることに気付くことで、より王妃に同情するようになる。

フェルセンもまた、マリーに宮殿外の国民の現状を伝えようとする理性ある男。マリーとは単純に男と女の情愛の関係でなく、人間と人間の関わりとして描いている印象をもった。

もう、同情しかないでしょ!!!???

と言いたくなる。

誰も否定出来ない!感情移入しかない!!

2006年版とは全くの別物!素晴らしいテコ入れです!!!としか言いようがない。

真実は常に嘘という虚像で塗り替えられる。

SNSで書きたい放題の時代にピッタリな内容です。

ま、ワタクシも気をつけなくてはいけない立場なのですが…。

ということで、

2017年版では大阪に来てくれなかった万里生氏が、今回満を持して大阪公演に登場ということなので、

お花マリー、ソニンマルグリット、万里生フェルセンver.なら、面白くなくてもいいやー、新演出は如何なるものなのか?ぶっちゃけ内容は全く期待せずに観ることにしたら、

めちゃくちゃ裏切られまくりでした!!!

2006年版が引き立て役になってしまったくらい、反動でさらに良く見えた!

登場人物に共感出来ると思ってなかったし、

なりより、昔と違って、歌い方が違う。

昔は、譜面通りに歌えたらいいという風潮があった。気持ちは台詞だけでいいみたいな。

でも、最近は、メロディに気持ちを乗せられる人が多くなってる!間違いなく!

ソニンちゃんなんてめちゃくちゃ熱演!今まで数作、ソニンちゃん出演作を観てるけど、今回が1番心に訴えかけるものがあった。

「スウィニー・トッド」の時は、めちゃ高音のソプラノ。いやー懐かしい!まだまだ音域が狭かったのに、今では、音域を自由にあやつり、低音で響かせてくる。公演中は、一切会話しない徹底ぶり。

実は、最近、ソニンちゃんのYouTubeにはまってしまい、ソニンちゃんの役に懸ける想いが舞台メイク動画からひしひしと伝わってくるし、

カレーを作る動画では、あまりの男前な料理に感動してます。私は料理の味付けに冒険はしたくない派なのですが、ソニンちゃんはルーを入れたカレーにすりおろしリンゴを入れたり、メープルシロップを入れて味の調整をしていて男前すぎるだろ!と益々ファンになってしまいました!

幻のアニータメイクもプエルトリコ人にしか見えなかった。コスメ会社さんと協力して役にあったメイク道具を揃える本格派!今回のマルグリットもしかり、生でその化粧をした姿が観たくなるだろ!的動画なので、超オススメ!

ワタクシも舞台メイクしたことありますが、その時は、シンプルにドーランだけだったので、ソニンちゃんがいかにしてマルグリットに、いかにしてアニータに化けるのか大変興味深く拝見させてもらいました。

なので、どうしてもソニンちゃんでマルグリットを観たかった。

お花様は鉄板なので観ないわけにはいない。

宝塚でもマリーを、「1789」でもマリーを演じてこられましたが、

今回は、また全く新しいマリー像を見せてくれて、花ちゃんの表現力にまたまた感激しております。

宝塚のマリーは、逞しさと儚さを共存させた正に真紅の薔薇ようなイメージ。

「1789」のマリーは、それこそ自由奔放ワガママ王妃が、次第にフランスの女王としての自覚を持つまでの成長過程をみせてくれた。

そして、今回のマリーは、

永遠の少女!!

凄い!!!

宝塚時代は、永遠のお姫様だったけど、卒業してもまだ違和感なく少女を演じられるなんて!あ、もちろん、本当の少女ではなく、少女のまま大人になった王妃様です。

ギロチンの前の椅子に座ったままの花ちゃんの表情がめちゃくちゃ素晴らしい!まさにザ・女優の表情でした。さすがお花様の演技でした。

ただ歌が弱かった印象は否めませんが…。むしろ、ソニンちゃんの迫力が半端なかったというのもありますが…。

そして、万里生フェルセン、めちゃくちゃジェントルマン像でビックリ!2006年版と全く印象が違う!

万里生氏の記事で、フェルセン役は感情を出さない役みたいなことを読みましたが、

いやいやいやいや、結構出しとりましたで!藁

そりゃフランツはんよりは控えめでしたが…。

なんせ、万里生氏は、軍服がめちゃ似合う!これは武器です。万里生氏も相当なバケモノ要素を持ってるからね。いつかいつか、浦井氏と共演して欲しい!

そして、まさかルイ16世で泣かされると思ってなかった原田君がめちゃ良かった!こういう役も普通に出来ることに驚いた。二枚目のクリスを演じた印象が全く消えていた。なんせルイ16世にしか見えなかった。素晴らしいことです!

ユミコさん、ミホコさん、元宝塚のお二人の存在感が、宝塚ファンのワタクシには堪らなく良かったです。脇を締めるにピッタリ。ミホコさんにも泣かされました。

っていうか、何度も書きますが、2006年度版と全然ちゃうやん!?っていう印象。演出もさることながら、美術もリアルになった印象。2006年版はなんせ抽象的だった。

これなら、また観てもいいと思った。

本当に、素晴らしい新しい「マリー・アントワネット」をありがとうございます!