大千秋楽

2022-08-01 00:29:17 | ミュージカル



はい、大千秋楽も観させて頂きました。

次の日は仕事だったので、カーテンコールの挨拶を最後まで見届けた後、夜行バスで帰ってちょっと寝てから仕事をしましたが、あれから2日経ってますが、感動の余韻がまだ残ってます。

いつもなら、寝てしまうと次の日には忘れたり、仕事となると尚の事、切り替えるために勝手に脳内リセットされて完全に遠い過去の出来事になっているので、中途半端でもすぐに感想を書くのですが、今回は、本当に珍しく2日経っても書きたい言葉が残っています。

それくらい感動してます!!


正直、こんな私が観て良かったのか憚る思いで千秋楽を観劇させてもらいましたが、素晴らしい時間を過ごすことができて幸せです。

大千秋楽は、前楽以上に、ミュージカルナンバーごとに観客のほとばしる熱気が拍手から伝わってきました。

井上君とさゆみ氏の♪初めての恋♪も、NHKで聞いた時よりも、さゆみ氏が頑張って裏声が途切れずに出ていて良かったけれど、

やはり、メンズの♪Luck be a lady♪が最高に良かった!

立って拍手したかったくらい、ダンスも歌も表現力も熱気も空間もめちゃくちゃ素晴らしかった!

なんていっても、マンホールの存在が秀逸!

オーバーチュア前からずっとスポットライトが当たっていて、裏賭博がこのマンホールの下の地下で行われているという伏線になっていて、マンホールの存在理由がここで回収されます。

井上君演じるスカイが、さゆみ氏演じるサラの伝道所の存続のためひと役買い、最大の賭けをするめちゃくちゃ重要なシーンかつクライマックスシーンがマジのマジ最高にかっこ良かった!!

ここの見せ方と演出マジ最高!!2回見てもめちゃくちゃ興奮する!

宝塚でも同じことやってたはずなのに、作品が持つパワーやストーリーの伝達力があまりにも異なり過ぎて、これぞエンターテイメントの底力を味あわせてもらいました。

帝劇で観劇されたMyブロガーさんの感想があまり好評じゃなく、舞台装置だけでも見る価値ありと言っていたので、正直期待してませんでした。

帝国劇場公演が観れなくても、わざわざ東京まで来たのに!という思いは全くありませんでした。公演関係者さんの方がもっと辛い思いをしているのが分かるから。

私の場合は、チケット代は返ってくるし、時間は如何様にも潰せるし、正直期待してなかったからショックはなかった。

でも、関係者さんは、お客さんの中にはわざわざ高い交通費を払って来てる方もいる、ホテルも予約している、チケット代以上にお金を払ってる、なにより公演を楽しみにしている、を分かっているから、辛くて仕方ないし、コロナに罹った方はめちゃくちゃ責任感に苛まれているはずだから、関係者さんの方がお客さん以上に辛い思いしている。

お客さんはいくらでも文句言えるけど、関係者は聞く側やから、クレーム対応は経験した者にしか分からない。

文句が言えることは幸せなんだよ!分かってるかい!?⬅誰に言うとんねん!藁

結局何が言いたいかと言うと、ぶっちゃけ、前楽を観て、

帝国劇場でも観たかった!!

というのが正直な気持ちです。

観れなかったことに腹が立っているんじゃなくて、

こんなに良い作品ならもっと観たかった!というのが本音です。

宝塚で観たときは、全くストーリーが入ってこなかった。誰が誰を演じているのか?なぜハバナで踊っているのか?全くもって意味不明でした。ガイズ自体が意味不明な物語だったのではないかと思ったくらい。あ、めちゃくちゃディスってますが、事実ですから。

今回東宝版を観させてもらって、初めからガイズの世界観が見えていた。誰が何の役を演じているのか、上下関係、横の繋がり、めちゃくちゃ分かりやすかった。

リーマンみたいに登場人物をわざわざ台詞で説明しているわけじゃない、自然な会話が行われている。

役者さんがしっかりキャラを作りこんでいるから余計立ち位置が分かりやすかった。

脚本も演技も、もちろん演出も素晴らしい!

ほんま、「リーマン・トリロジー」を観て!比較してごらん。めちゃくちゃ説明が多いのが分かるから。

登場人物は、まさにアンダーグランドの地下組織的な反社な輩たちと、ほぼ彼らと交わることがない神に使える者たちの物語。

面白いことに、神に使える者たちの集会所(伝道所)は地下にある。

お互い地下組織の住民たち。あらゆることが地下で行われている。懺悔も賭博も。

だから、マンホール、地下鉄、あらゆる地下に繋がるものが、迫りと盆を使って地下階に降りていく様を見せる演出がめちゃくちゃ生きてくる。

「オペラ座の怪人」でファントムとクリスティーヌが地下に降りる演出の如く、リアルな世界観を創り上げている。マジで素晴らしい!

地下の住民達が、ラスト地上でハッピーエンドを迎える様がコンセプトとしてめちゃくちゃ素晴らしいと思った。

元々そういう物語だったのかは分からないけど。

景子先生の翻訳も含め脚本演出が本当に素晴らしかった。

それに加えて演者が更に素晴らしい!

ぶっちゃけMVPは、ダイモンと万里生氏ですが、

やはり1番良かったのはスカイを演じた井上君ですね!

ぶっちゃけ、井上君がスカイと知った時は、全くイメージではなかったので興味はそそられなかったのですが、

m(__)m

井上君、浦井氏、さゆみ氏、ダイモンのポスターデザインがめちゃくちゃ食指をそそられた!これは、私だけではないはず!

井上君も浦井氏もカッコイイし、さゆみ氏もダイモンもキュートだし、あのポスターデザインだけでガイズの世界観が見えてきた!めちゃくちゃセンス良い!!

ぶっちゃけのぶっちゃけ、NHKで井上君とさゆみ氏の♪初めての恋♪を聞いた時に、大丈夫か、さゆみ氏!?と不安が過った。って以前に、無理して裏声で歌う必要があるのか?せめてファルセットで歌えないものか?お客さんからブーイングが来ないかこっちが心配になった。

ここはやはり、井上君の器の大きさでさゆみ氏を守ってくれたのが見えた。井上君の包容力のお陰で、さゆみ氏も恥も外聞も捨てサラに体当たりする覚悟が出来たんだと思う。

負けず嫌いのさゆみ氏のことだから、妥協したくなかったと推察するが、私が観たのは大千秋楽と前楽でしたが、めちゃくちゃ良くなってた。

ぶっちゃけ、宝塚の世界では下手でも努力は評価されるが、外の世界は弱肉強食の世界だから努力だけでは報われないのが現実。

さゆみ氏の良いところは、悪いところでもあるけど、課題に立ち向かう様をちゃんとファンに見せるところ。本来は、完璧な姿を見せないといけないのに、妥協しているところを一切見せない。それをファンは知ってるからファンは逃げないんよね。これもさゆみ氏の人間性やね。

前回観た「マドモアゼル・モーツァルト」の第1幕の演じ方がイマイチだったことを思うと、今回のサラはめちゃくちゃ良かった!

ヴィジュアルのキュートさを活かしつつ、ちゃんとサラ像を創り上げていた。初めてのキスでスカイを意識し、ハバナでのスカイの紳士さと真摯な振る舞いに完落ちしてしまった様も丁寧に演じていたし、

自分がハバナに行ったせいで、伝道所が賭博場になってしまったことを悔やみ、スカイを責める様もめちゃくちゃリアルに表現していたし、

万里生氏がブログで書いていたように、顎クイも良かった!藁

酔っ払いシーンも、めちゃくちゃキュートに酔っ払っていて、めちゃくちゃ見せ方が上手いというか、本来のさゆみ氏の持ち味である芸達者ぶりを遺憾無く発揮していて、本当に素晴らしい役作りと見せ方でした。

これで間違いなく、エリザベート確定したんじゃないでしょうか?

それはさておき、本当に素晴らしいサラでした!

井上君のことを書こうと思ったのに、ついついさゆみ氏になってしまいましたが、

井上君のスカイは完璧!

井上君のスカイは似合わないと思っていましたが、井上君は、最近では、ミュージカル界のプリンスというより、毒舌家のイメージが強くなってるから、ある意味スカイに近いと思った。m(__)m

でも、井上君のスカイ像は、かつてはめちゃくちゃ悪さをして刑務所に入ったけどもそこで聖書に出会い改心したというバックグラウンドが見えたので、サラに対する真摯ぶりに嘘はなかったし、本気でサラを愛しているのも伝わったし、何より本気でサラを救いたい気持ちがひとつひとつの行動から伝わってきて、地下賭博のシーンは最高だった!

何度もリーマンをディスって申し訳ないですが、日本の作品じゃないからついついディスってしまいますが、やはり、想像させてくれる作品や役作りの方が私は好きやね。

♪Luck be a lady♪は、サラを自分の者にしたい気持ちより、サラの伝道所、すなわちサラの居場所を守ってあげたい気持ちが優っていたのがめちゃくちゃ伝わってきた!

ずっと、ガイズ&ドールズは、ガイズが女の子をナンパする下心満載のミュージカル作品だと思っていたから、実はそうじゃなく、真実の愛がテーマのミュージカル作品だと知って、私自身が改心させられました(笑)

林アキラさんの、サラに諭す歌がマジ泣ける!めちゃくちゃ説得力がある歌い方だった。

ガイズ&ドールズのイメージがめちゃくちゃ覆されました!

井上君の真摯なスカイ像に惚れ惚れしました!

そして、浦井氏のネイサン。正直、ネイサンも浦井氏のイメージではなかったけども、浦井氏なら大丈夫だとは思った。バケモノだから。あ、バケモノは最大限の褒め言葉ですから!(汗)

ぶっちゃけ、新しいネイサン像というより、浦井氏のネイサンになっていた、誰かを真似たのではない自分自身のオリジナルネイサン像にしていたのが良かった。

ぶっちゃけ、オペラグラスで見てなかったら変顔をしまくっていたことに気付かなかったけどね。必要なかったと思うよ。

14年間もアデレイドに対して結婚はしない婚約したままの事実婚状態が続きながらも、まだ事実婚の方が誠意はあるのかは分からないが、アデレイドに対して煮えきらないネイサン。

浦井氏のネイサン像には、決してアデレイドを弄んでいる様子もないし、愛しているけど型にはまりたくない男性像にも見えた。

なにより、アデレイドより賭博、だけど、アデレイドより他の女性、ではない、アデレイドに対して一途さはちゃんと表現していたので、好感がもてるネイサン像でした。

どっちかというと、ネイサンはチャラいイメージが強いけど、浦井氏が演じると、純粋に賭博好きにしか見えなかった。女たらし像よりこっちの方が断然良いと思う。

ネイサンは髭キャラのイメージが強いが、全然必要なかったね。

そして、今作のMVPのひとり、ダイモンのアデレイドがめちゃくちゃ素晴らしい!!

いやいやいやいやいやいや、めちゃくちゃ表現が上手い!

ついこの間までバリバリの男役だったのに、完全に女優の演技に脱帽。ダイモンも芸達者だから、ひとつひとつの動きがめちゃくちゃリアルなアデレイド像に繋がっていたから素晴らしい!

完全に日本人離れした、映画に出てくるようなアメリカ人女性を表現していたので、喋り方、動き方、仕草、歌い方、どれもこれもめちゃくちゃ研究していたのが伝わってきた。さゆみ氏サラと対照的なキュートさを持った本当に素晴らしいアデレイド像でした!

そして、もうひとりのMVPの万里生氏演じるナイスリー・ナイスリー・ジョンソンがめちゃくちゃ良かった!万里生氏の隠れた芸達者ぶりに感動した!

いやいやいやいやいやいや、万里生氏のフランツもなかなかのアグレッシブさがあり表現力が素晴らしかったけど、

万里生氏のイメージは、どちらかというとフェルセンのように紳士な役が印象的だけど、ナイスリー・ナイスリーの間抜けっぷりの表現がめちゃくちゃ良かった。一見、浦井氏とキャラが被りそうだったけど、万里生氏は、徹底してお馬鹿さんになりきっていたので、めちゃくちゃ優等生キャラの万里生氏のイメージが完全に覆されました(笑)

捨て身の演技が最高に良かった!

大千秋楽では、セロリをウサギみたいにほぼ丸かじりしていて、全部飲み込んだのか吐き出したのか気になって仕方なかった(笑)

ただ、オープニングロールでなぜ万里生氏だけ役名がクレジットされていたのか気になる。贔屓?(笑)

アデレイドちゃんは、料理は得意じゃないらしい(笑)

他のアドリブは、尻たたき?(笑)

客席を沸かしてましたね。

(笑)

大千秋楽のカーテンコールの挨拶は、YouTubeで拝見できますが、公演中の客席の熱気は本当に凄まじいものがありました。

カーテンコールの拍手も凄かった!凄い一体感でした。

カーテンコールでは、宝塚で初演時にナイスリー・ナイスリーを演じたマヤさんが美味しいとこ取りしていたのがめちゃ和む!

本当にいいカンパニーだったのが伝わってきました。

本当に本当に素晴らしい作品を観ることが出来て最高でした!

本当に本当に素晴らしい時間をありがとうございました!

⬇思い出チケット


残念ながらミス・サイゴンのチケット見当たらず…。