ファンレター

2024-10-05 01:28:35 | うらけん
まるで、ミュージカル「蜘蛛女のキス」の韓国版を観てる感覚だった。

晴香ちゃん演じるヒカルは、オーロラと同じ役目だと思った。

ストーリーはもちろん違うけど、決して遠くないと思った。

海宝君演じるセフンがモリーナで、浦井氏、もとい、健さんが(今日は、海宝君を真似てあえて健さんと呼びます。藁)ヴァレンティン。

決して遠くないと思う!!

ということで、10月から異動になり、平日勤務なので、異動が決まる前に買っていた兵芸初日を観ることが出来るのか不安で仕方なかったですが、

まるで神様のお導きかのように半日休みを頂けたので、チケットを流すことなく観ることができました。

いや〜、

コレまじ、鶴瓶さんに観てほしかった!!

(笑)

落ちつけ浦井健治とは全く別人のもう一つの健さんの本当の姿を鶴瓶さんにも観て欲しかったよ。

もちろん、落ちつけ浦井健治も素の本当の姿だけども、役者浦井健治は役名があればちゃんと化ける人間であることを鶴瓶さんにも知って欲しかった!

それくらいめちゃくちゃ良かった!

主役は海宝君だけど、ダブル出演と言っても過言ではないし、どなたかも書かれてましたが、まさに止め役者的役割を担ってました。 

てっきり、この作品は反日を謳った作品なんだと思ってました。

戦時中、日本の憲兵によって表現の自由を奪われた作家を志す韓国人たちの物語、

映画「覇王別姫」に象徴される中国文化大革命によって迫害された芸術家と同じ運命の物語だと思っていたら、

全然違った。いや、「覇王別姫」に近い??

ファンレターという名のラブレター。

最初、韓国名が男なのか女なのか分からないから会話の意味がちんぷんかんぷんでしたが、ストーリーの軸が見えてからは、ファンレターという名のラブレターだと思って観てた。

だけど、二幕に入っても一向にラブレター的展開にならないし、

終幕だと思わす、まやかし暗転が2回あって、ワタクシ1回目で拍手してしまったよ!私と同じように初観劇の方だと思われる多くの方が拍手してた。隣の方は拍手してなかったから、初観劇ではなかった模様。

2回目も拍手しそうになったけど隣の方は拍手する様子なし。3回目は隣の方も拍手してた。

1回目も2回目も、ぶっちゃけね、

えっ、これラブレターではなくて本当にファンレターやったん??

えっ、ヘジンが亡くなるよりヒカルが消える方が辛いん??

愛してました!ってさっさと言えよ!!

って、2回ともセフンに対してイラッとした。

海宝君、ゴメンよm(__)m

正直、本当にファンレターの物語やったんや〜、モヤモヤ感が残る展開やな〜と思っていたら…、

ちゃんとラブレターだったから安心した。っていうか、3回目でウルっときた。

セフンの気持ち、めちゃくちゃ分かるよ!としか書けないけど…。

私も、ブログの中の自分と生活をしている自分が別人だと思うこと多々あり。

特に寝る前に書いたブログを翌日読み返したら、誤字脱字意味不明文章は毎度のことですが(汗)、これっ私が書いたん??と、自分が書いた内容に驚くことが多々ある。

まさしく私の中のもう一人の自分が書いたかのように、書くべきではない内容だっりする。もちろん、全くの嘘八百ではなく私なら思うような内容。

分別なく正直に書いているから驚く。

男女の関係だけでない、魂と魂が惹かれ合っている関係性もめちゃくちゃ分かる。

愛というものは、目には見えない感じるもの。もちろん、文字や言葉で表現することも残すことも可能。

言葉にしなくても分かり合える感覚って、愛に関わらず、通じ合える感覚は本当に尊い。

2回のまやかし暗転では全く腑に落ちなかったけど、3回目でやっとキュンキュンした。

2回目までは、愛してます!って早よ言えよ!ただのファンレターか!?って思ってしまったけども、

愛してますっていう言葉も、3回目で陳腐だな〜と思ってしまった。

欧米人のようにわざわざ、愛してます!って言って、愛情確認する必要性はない。っていう感覚。

言葉にしなくても通じ合える感覚は、何度も書きますが、尊い。


今回お初お目見えの、セフン役の海宝君が、本当にピュアな表現をされていて素晴らしかった!

あ、ユキちゃん(仙名彩世さん)とのご結婚おめでとうございます!!

セフンと片割れのヒカルとの感情のせめぎ合いの表現がめちゃくちゃ良かった!

ヒカルは、セフンの中のもう一人の自分だし、ヘジンにとっては、インスピレーションを引き出すミューズ的存在なので、

ヒカル役の晴香ちゃんとのコンビネーションが、対照的な役柄同士なのに同一人物にしか見えないくらい本当に素晴らしかった。

晴香ちゃんのヒカルは、オーロラと同じ立ち位置としか思えないくらい、セフンの中の野心?欲望?を象徴する役柄なので、

歌はもちろんのこと表現力、特に死が近づいているヘジンにペンを持たせるシーンでの表現が素晴らしかった!

そして、ヘジンを演じた健さんが、

本当に鶴瓶さんに観て欲しかった!

結核に冒されたヘジンの佇まい、ヒカルに依存?洗脳?ヒカルの存在がヘジンの生きる力でもあり創作の源である役作り、そして、今まで聞いたことがない低音の出し方がめちゃくちゃ良かった!

そして、ラストの、低音ではない、高音?普段のトーンとの歌声の使い分けが本当に良かった。

低音は生きている時のヘジン。ラストの歌声は、ヘジンの魂がセフンの魂と共鳴し合ってるトーンだと解釈した。

プロデューサーさんが決めたのか、演出家の栗山さんが決めたのかは分かりませんが、「デスノート」のライト役もしかり、なんでヘジン役を健さんに宛てがったのか不思議でならん。

主役じゃないのに、しかも主役は自分より年上の先輩ではない年下の海宝君なのに、なぜこの役が回ってきたのか本当に謎。

落ちつけ浦井健治のインパクトが強過ぎたので、果たして名誉挽回となるか!?と正直心配ではありましたが、このヘジン役は、健さんの役者としての本来の姿を堪能出来る本当に素晴らしい役作りだった。

次回の三代次も楽しみ!チケット手配済。メタルマクベス以来?の極悪人!

今日は兵芸初日なのに、千秋楽なみのカーテンコール挨拶にビックリした。

健さんの、チェーホフの話、栗山さんに言われた言葉…、詳しくは忘れたけど、慣れてきたらナマの感情が消えてしまうみたいな内容だったかな?

台詞という言葉のメッセージやそこに込められた想いとは別の、台詞の裏に流れる全く違う別の景色が見えてきたときは、キュンキュン、じゃないな、ドキッとしちゃうね。と私は解釈した。

海宝君の挨拶から察するとこれは実話がベースなのかと思いましたが、

反日を煽る作品でなかったのは良かった。

思想もしかり、嗜好もしかり、表現や選択の自由はもちろんのこと、

エリザベートじゃないけど、誰もが、目に見える物に惑わされず、誰にも何にも束縛されない魂の自由こそ生きる喜びであって欲しいと切に願う作品だった。