夢遊病の女/ローマ歌劇場2024
作曲:ベッリーニ
指揮:Francesco Lanzillotta
演出・装置・衣裳:Jean-Philippe Clarac & Olivier Deloeuil “LE LAB”
演奏:Teatro dell’Opera di Roma
合唱:Teatro dell’Opera di Roma
出演:
アミーナ:Ruth Iniesta
エルビーノ:Marco Ciaponi
ロドルフォ伯爵:Manuel Fuentes
テレーザ:Monica Bacelli
リーザ:Francesca Benitez
アレッシオ:Mattia Rossi
舞台前面に透明なスクリーンがはってあり、そこに黙役の女性が映し出されている。冒頭はその女性がローマにあるバルベリーニ宮の「粉屋の娘」をじっと見つめている場面。この映像は彼女が途中で母親や誰かにチャットしたりした後、ノルマとかメデアなどのポスターが貼ってあるホテルらしき部屋に着いて寝込むまで続く。映像開始後かなりの時間がたってから序曲が始まる。オペラ開始後は主に背面のスクリーンでこの黙約の女性が登場する。背面スクリーンは3つ程度のコマに分かれていて、古典絵画と同じ姿のポーズの動画を絵と並べて各コマに表示したりしていた。「粉屋の娘」や、その胸のクローズアップが使われた。裸体の女性がガイコツの上に手を置くポーズのマグダラのマリア風の絵画も使われた。
総じてアミーナの潜在的な欲求不満の様なものを表現しているようだった。この女性は最後に映像の中でローマ歌劇場のバルコニーに多分リアルタイムで現れ、その後、アミーナが婚約の時着ていたピンクかオレンジのウェディングドレスを逆さにしょって客席から舞台に上がって登場する。そして舞台上のアミーナとゆっくりハイタッチする。多分、この女性が寝ている時の夢か妄想を舞台に表現していたのではないかと思われた。
時は現代でアパレル会社か何かのオフィスが想定されていたようだ。上から撮影した画像が背面に映し出されたりする。装置や衣裳は白黒を基調としたシャープな色使いで鮮やかな印象。アミーナが主に着ていた黄色い衣裳は可愛いかった。リーザは全身黒でスパッツのようなものをはいていて、スタイリストぼい感じ。芝居もそんな感じだった。
アミーナはビブラートのある強い声で高音が美しい。抑揚の強い演劇的な歌い手。最後はめいっぱい声を出した。エルヴィーノは高音に破綻のない良いテノール。伯爵は迫力のある声。リーザはふてくされた芝居が印象に残った。テレーザは安定感のある低い声のメゾ。演奏は優しくまろやかな感じ。
カーテンコールのあと幕の向こうからハッピーバースディの合唱が聴こえてきた。これには会場からも拍手があった。
「夢遊病の女」に特有な牧歌的雰囲気がまるで無い現代的なぶっ飛んだ演出、シャープで綺麗な美術、声は美しい。良し悪しは別としてとにかく印象に残る演出だった。演出に気をとられて演奏がどうだったかイマイチ、記憶が薄い。
24.04.16 ローマ歌劇場/ローマ
作曲:ベッリーニ
指揮:Francesco Lanzillotta
演出・装置・衣裳:Jean-Philippe Clarac & Olivier Deloeuil “LE LAB”
演奏:Teatro dell’Opera di Roma
合唱:Teatro dell’Opera di Roma
出演:
アミーナ:Ruth Iniesta
エルビーノ:Marco Ciaponi
ロドルフォ伯爵:Manuel Fuentes
テレーザ:Monica Bacelli
リーザ:Francesca Benitez
アレッシオ:Mattia Rossi
舞台前面に透明なスクリーンがはってあり、そこに黙役の女性が映し出されている。冒頭はその女性がローマにあるバルベリーニ宮の「粉屋の娘」をじっと見つめている場面。この映像は彼女が途中で母親や誰かにチャットしたりした後、ノルマとかメデアなどのポスターが貼ってあるホテルらしき部屋に着いて寝込むまで続く。映像開始後かなりの時間がたってから序曲が始まる。オペラ開始後は主に背面のスクリーンでこの黙約の女性が登場する。背面スクリーンは3つ程度のコマに分かれていて、古典絵画と同じ姿のポーズの動画を絵と並べて各コマに表示したりしていた。「粉屋の娘」や、その胸のクローズアップが使われた。裸体の女性がガイコツの上に手を置くポーズのマグダラのマリア風の絵画も使われた。
総じてアミーナの潜在的な欲求不満の様なものを表現しているようだった。この女性は最後に映像の中でローマ歌劇場のバルコニーに多分リアルタイムで現れ、その後、アミーナが婚約の時着ていたピンクかオレンジのウェディングドレスを逆さにしょって客席から舞台に上がって登場する。そして舞台上のアミーナとゆっくりハイタッチする。多分、この女性が寝ている時の夢か妄想を舞台に表現していたのではないかと思われた。
時は現代でアパレル会社か何かのオフィスが想定されていたようだ。上から撮影した画像が背面に映し出されたりする。装置や衣裳は白黒を基調としたシャープな色使いで鮮やかな印象。アミーナが主に着ていた黄色い衣裳は可愛いかった。リーザは全身黒でスパッツのようなものをはいていて、スタイリストぼい感じ。芝居もそんな感じだった。
アミーナはビブラートのある強い声で高音が美しい。抑揚の強い演劇的な歌い手。最後はめいっぱい声を出した。エルヴィーノは高音に破綻のない良いテノール。伯爵は迫力のある声。リーザはふてくされた芝居が印象に残った。テレーザは安定感のある低い声のメゾ。演奏は優しくまろやかな感じ。
カーテンコールのあと幕の向こうからハッピーバースディの合唱が聴こえてきた。これには会場からも拍手があった。
「夢遊病の女」に特有な牧歌的雰囲気がまるで無い現代的なぶっ飛んだ演出、シャープで綺麗な美術、声は美しい。良し悪しは別としてとにかく印象に残る演出だった。演出に気をとられて演奏がどうだったかイマイチ、記憶が薄い。
24.04.16 ローマ歌劇場/ローマ
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