安東伸昭ブログ

安東伸昭の行動日記

「線状降水帯」 空気と地形カギ

2020年07月09日 | 気象情報
令和2年7月9日

列島、どこまで広がる豪雨 「線状降水帯」空気と地形カギ

私が初めて聞いたのは、鬼怒川堤防決壊(平成27年9月10日)でした。

九州南部に続いて大雨に見舞われた九州北部で猛威を振るったのは、今回も積乱雲が次々に発生し連続的に雨を降らせる「線状降水帯」だった。
西日本・東日本の広い範囲で雨が降り続く中、過去の集中豪雨の6割の原因となったとされる現象は、次にどこで発生するのか。
カギは空気の向きと状態、地形にありそうだ。



6日午後、福岡、佐賀、長崎の3県をまたがるように気象レーダーで赤色の細長い影が確認された。
気象庁によると、熊本、鹿児島両県で4日に大量の雨をもたらしたとみられる「線状降水帯」がこの地域でも発生したとみられる。

 線状降水帯は、雨を降らせる積乱雲が次々に発生してほぼ同じ場所に停滞・通過することで作り出される長さ50~300キロ、
幅20~50キロの強い雨が降る細長い帯状の領域を指す。

 今回、九州南部・北部で線状降水帯が生じたのは、広く海に開けた地形が作用した。
大量の暖かく湿った空気が東シナ海と太平洋の双方から西と南西方向から流入してぶつかって急激に上昇。
次々に積乱雲が形成され、上層の風に流されて線状に伸びたのが原因とみられる。

 気象庁気象研究所によると、台風や熱帯低気圧本体以外による国内で発生した集中豪雨の約6割はこの線状降水帯が影響している。
日本の幅広い地域で発生し、「いつでもどこでも起こりうるが、予想は困難」(気象庁予報課)という厄介な現象だ。

 同庁天気相談所の立原秀一所長によると、台風と比べて極めて小さいスケールの現象で、多少の条件の差で発生するかしないかが変わるという。現
在、九州で線状降水帯が発生しているからといって、「列島を台風のように北上していくわけではない」と指摘する。

 同庁予報課の杉本悟史主任予報官によると、山陰地方では東シナ海から温かく湿った空気が流入することで短時間の線状降水帯が発生する可能性がある。
一方、低気圧の活動が低調なため、四国・近畿では山にぶつかり積乱雲を発生させやすい南からの空気の流入が弱く、四国・近畿では発生しづらい状況という。

 関東・東海でも、南から暖かく湿った空気が大量に流入する状況は現時点ではないといい、「可能性はあっても低い」と予測する。

 ただ、線状降水帯の有無にかかわらず、河川の状況などによって被害の様相は異なる。
気象庁は引き続き広い範囲での警戒を呼びかけている。



積乱雲次々と…「線状降水帯」長時間の大雨で被害 熊本豪雨



 梅雨前線の影響で記録的な大雨に見舞われ、大雨特別警報が発令された熊本、鹿児島両県の一部では、積乱雲が同じ場所で連続して形成され、
まとまった時間に激しい雨を降らせる「線状降水帯」が発生したとみられる。
この地域に停滞していた梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだことが原因とみられ、過去にも線状降水帯が形成されて、多数の被害が出る災害が起こっている。

南と西から湿った空気が
 気象庁によると、3日夜から梅雨前線が熊本県や宮崎県、鹿児島県付近に停滞。
前線に対して渦を巻くように、南と西から温かく湿った空気が流れ込んでぶつかることで上昇気流が生まれ、連続して積乱雲がつくられていったとみられる。

 大雨特別警報発令を受けて開かれた4日午前の記者会見で、気象庁の中本能久(よしひさ)予報課長は「詳しい解析は必要だが、線状降水帯が形成されたように見える」と指摘。
「湿った空気がどんどん流れ込むと、長く降って(雨量が)増えていく」と説明した。

24時間で489ミリの豪雨
 一般的に、1つの積乱雲は1時間程度で消えるとされるが、連続して発生することで激しい雨が降り続いた。
 気象庁によると、熊本県人吉市では4日午前9時50分までの24時間降水量が410・5ミリ、湯前町では同11時までで489・5ミリ、あさぎり町では同10時10分までで463・5ミリと、猛烈な雨量に見舞われた。

 氾濫した球磨(くま)川流域の各自治体では、それぞれ24時間雨量が観測史上最大に。
さらに、多良木町では4日午後0時10分までの24時間降水量が412・0ミリと、これまでの観測史上最大の降水量の1・6倍もの雨が降った形だ。

 気象庁気象研究所によると、日本で発生する集中豪雨の約6割は、線状降水帯が影響しているとされる。

 国内でも平成27年9月に鬼怒川が決壊するなどして20人が死亡した東日本豪雨や、
29年7月に約40人の死者・行方不明者を出した九州北部豪雨、
約280人の死者、行方不明者が出た30年7月の西日本豪雨などでも、
被災地上空に線状降水帯が発生して被害を拡大したとされる。


梅雨前線の影響で記録的な大雨に見舞われ、大雨特別警報が発令された熊本、鹿児島両県の一部では、積乱雲が同じ場所で連続して形成され、まとまった時間に激しい雨を降らせる「線状降水帯」が発生したとみられる。
この地域に停滞していた梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだことが原因とみられ、過去にも線状降水帯が形成されて、多数の被害が出る災害が起こっている。


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