午前中、窓の外に動く影があり「?」とカーテンを開くと、
向かいの電柱に人が上っているのでした。

いつもは風景の一部となって気にもとめない電柱が、
意外な近さで迫ってきます。


電線を1本増やして、ほんの10分ほどの作業でした。
その一本の先は近所の家の軒先に繋がれました。
考えてみたら、電柱の歌というのは、
1度も作ったことがありません。
道を歩くときに「邪魔だなあ」くらいにしか
思っていなかった電柱ですが、
歌の主人公にもなれるのでした。
・畑畝の列直(ちょく)として集まればそこにするどく電柱ぞたつ
岡部桂一郎『緑の墓』
・町をこえ畑をこえてゆくものは電柱に鳴る夜の木枯らし
・電柱の立ちてしずかに揺れている明るき真昼幼な子といて
『鳴滝』
・電柱の影はブロック塀にさし影にふれつつ枯葉散りたり
『一点鐘』
・しんどいなあ 雨ふるなかへ出る猫の尻っぽを垂れて仰ぐ電柱
・電柱がひとつ立っているそれだけの像消えてゆくこころのなかに
『竹叢』
向かいの電柱に人が上っているのでした。

いつもは風景の一部となって気にもとめない電柱が、
意外な近さで迫ってきます。


電線を1本増やして、ほんの10分ほどの作業でした。
その一本の先は近所の家の軒先に繋がれました。
考えてみたら、電柱の歌というのは、
1度も作ったことがありません。
道を歩くときに「邪魔だなあ」くらいにしか
思っていなかった電柱ですが、
歌の主人公にもなれるのでした。
・畑畝の列直(ちょく)として集まればそこにするどく電柱ぞたつ
岡部桂一郎『緑の墓』
・町をこえ畑をこえてゆくものは電柱に鳴る夜の木枯らし
・電柱の立ちてしずかに揺れている明るき真昼幼な子といて
『鳴滝』
・電柱の影はブロック塀にさし影にふれつつ枯葉散りたり
『一点鐘』
・しんどいなあ 雨ふるなかへ出る猫の尻っぽを垂れて仰ぐ電柱
・電柱がひとつ立っているそれだけの像消えてゆくこころのなかに
『竹叢』