ノイバラ山荘

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映画「至高のエトワール」@Bunkamura ル・シネマ

2014-11-11 22:40:04 | 映画
こんばんは(*^_^*)

今日は降ったりやんだりの肌寒いお天気でしたね。


先日、何気なく手に取ったちらしの
「至高のエトワール~パリ・オペラ座に生きて」
主演はアニエス・ルテステュ。(舌を噛みそうな名前ですにゃ)

はっ(´・ω・`)


どこかで見た名前と思ったら・・
去年の誕生日5月30日に自分にプレゼントした
バレエ「天井桟敷の人々」
ガランス役のアニエスではありませんか!!!


ダブルキャストでどちらを選べばいいか全く分からず、
写真で気に入った方の人にしたら、
それが舞台衣装のデザインもしているアニエスで、
昨年10月の「椿姫」を最後に引退したのだそうです。

びっくり!!


では、私が観に行った公演は
日本で彼女を観る最後のチャンスだった訳ですね。

う~む、これは是非観に行かなくては!!

・・ということで、火曜日のサービスデー1100円を狙って
しかも、前回「リスボンに誘われて」の混雑でこりたので、
ネットで予約していきました。

カードの支払は嫌でずっと避けていたのですが、
やってみたら簡単で楽でした・・(・ω・;A ナンダ


アニエス・ルテステュのこれまでとこれから、を描いた映画なのです。

アニエスは26歳から26年間、
オペラ座で最高のエトワールを務めました。
古典からコンテンポラリーバレエまでそのダンスの幅は広いのです。

この映画では、「天井桟敷の人々」「ドン・キホーテ」「白鳥の湖」「シンデレラ」
そして彼女の十八番の「椿姫」といったおなじみの古典から
「放蕩息子」「賭博師の手紙」「Dances at a gathering」
「輝夜姫(かぐやひめ)」「シーニュ」などといった初めて見る演目もあり、
バレエシーンがたっぷり楽しめます。

近年は「天井桟敷の人々」に見られるように
衣装デザインも手掛けていました。

エトワールを退いた今もバレエへの情熱は衰えず、
バレエと関わる仕事をする意思を語っていました。


「シーニュ」の振付カロリン・カールソンと。
引退の2ヶ月前に踊ったのだそうです。

楽しかったです~❤


帰りの電車でパンフレットを読んでいたら、
隣のご婦人に「私も見に行きたいと思っていたの。
もうやっているの?」と尋ねられました。

うふふ、人気なんですね❤


「夢見るフランス絵画」@Bunkamuraザ・ミュージアム

2014-11-11 22:23:44 | 美術
皆さまは、お好きな絵をお持ちですか?

私はたくさん好きな絵があって、
どれか1枚選べなんて言われたら
どうしたらいいかわかりません。

でも、好きな絵がたくさんあっても、
実物を目の前にして、心がふるえることは
そう多くはありません。

「夢見るフランス絵画」展で、
そんな絵を2枚、見出すことができました。

「夢見る」という、赤面してしまうような
タイトルがついていたので、
実はあまり期待しないで、
映画が始まるまでの時間つぶし・・
くらいの気持ちで行ったのですが、
ゆったりと絵と対話できました。

まずは1枚目。


ラウル・デュフィ「ニースのホテルの室内」
1928年、油彩・キャンヴァス

デュフィ展は6月末に行って
思いがけずよかったのですが、
その時にも気に入った二ースの窓辺の絵のシリーズです。

この絵では海と空の青を生かすため、室内の
カーテンのオレンジ、絨毯の赤が効果的に使われています。
テーブルの濃紺が海のさざ波と響き合い、
至福の色彩です。

この絵の前に立った時、
油絵具の匂いがすると思いました。

90年も前の絵なので、そんなはずはないと思いましたが・・。
観ていると、画家の幸せを共有している感覚になります。

どんな画家でも画家は絵を描いている時に、
幸福と恍惚に満たされていると思うのです。

波長が合うというのでしょうか、チャンネルが合った時、
その幸福感が私の体にも流れ込んできます。

この絵はいつまでも傍にいたい、
隅々まで目に焼き付けたいと思いました。

絵葉書やカタログはこの色彩を再現できていなくて、
HPの画像が一番近いと思いました。

もう1枚がモディリアーニです。


アメデオ・モディリアーニ「小さなルイーズ」
1915年、 油彩・厚紙

この絵では、背景の灰色の壁とルイーズのエプロンに
目立たないようにビリジアン(緑)が使われていて、
それが腕の赤味を引き立てて、
とても心地よいのですが、
残念ながらこの画像では見ることができません。

モディリアーニは実物を見ないと、
その微妙な色彩を感じることができないのです。

そして、この絵で「あっ」と思ったのが、
少女の右上の「La petite Louise」という黒い字。
タイトルなのですが、これを見た時に
書き込む画家の幸せを感じました。

モディリアーニはもう1枚の
「バラをつけた若い婦人」の方がメインだったようなのですが、
私はルイーズの方が好きです。


キスリング「魚のある生物」、
藤田嗣治も印象的でした。

1時間ほどの鑑賞でしたが、
十分に楽しむことができました。