ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

外国人ホームヘルパー

2006-02-11 19:14:09 | 社会・政治・一般

所得税の申告のため、現在個人事業者を中心に顧客回りをしていると、様々な人生を垣間見ることになります。

先日、あるお客さんと一杯飲み、その流れで東京郊外の町のフィリピン・パブに行った時のことです。フィリピーナの愛称で知られる彼女たちは、その愛敬と芸達者なことで人気があり、風俗店の定番のひとつになっていましたが、現在はその数を激減させています。

原因は法務省の入国制限です。かつては年間2万人程度が興業ビザで日本に出稼ぎに来ていたのですが、現在は300人前後だそうです。フィリピン政府が、経済制裁だと騒いでいましたが、日本のお役人もマスコミも知らん顔を決め込んでいます。

さすがに若い子は少なかったが、あの独特な日本語の言い回しが賑やかなその店には、けっこうな数のフィリピーナが働いていました。聞いてみると、興業ビザは下りないが、ファミリービザなどで来日しているとのこと。さすがに、あの手の発展途上国の人間は逞しい。

お客さんのご贔屓の娘さんも多分にもれず、姉妹が日本人と国際結婚しており、そのつてで来日しているそうだ。店内を見渡すと手を振ってる子がいる。よく見ると昔、新宿の大型キャバレーで売れっ子だった娘さん。席に呼んで話を聞くと、現在昼間はホームヘルパー養成学校へ通っているとのこと。

一昨年、日本とフィリピンとの間でFTA(自由貿易交渉)が成立し、その中に看護師やホームヘルパーが含まれていたのは知っていました。またNHKが現在、名古屋で試験的にフィリピーナのホームヘルパーを活用している報道をしていたので、将来は外国人の介護を受けることは予測していました。

しかし、既に東京でも専門学校などが、外国人のホームヘルパーを養成しているとは知らなかった。FTAで決められた資格には、当然日本語の試験がありますから、外国人の看護師やホームヘルパーが入ってくるのは、数年先だと考えていましたが、読みが甘かった。

現在、国内の介護事業者の大半は赤字です。設備投資の負担もさることながら、やはり大きいのが人件費。フルタイムで働いても、月収15万から20万程度ですから、なかなか人が集まらず、また続かないのが介護事業者の悩みです。たしかに外国人なら、いい働き手になるでしょう。

でも、私の知人のフィリピーナは、今は知りませんが、かつては月に30~40万前後は稼いでいたはず。年齢の問題もありますが、月15万程度でやっていけるのか?尋ねてみると、その答えに驚いた。

まじめな仕事(彼女らはホステス業は嫌ってる)に就けて、しかも社会保険に入れるなら月15万で十分だと。日本の最新の医療を3割負担で受けられるなら、それが良いと。私は行ったことはありませんが、聞くところによるとフィリピンは医療技術は低くないそうです。しかし、設備は老朽化していて、社会保険制度が十分でないため、よい医療は庶民には受けられない。十分な高度医療を受けようと思うと、かなり高額でむしろ日本の方が安く済むそうです。

話を聞いて納得しました。語学力の高い彼女らが今後、日本でホームヘルパーや看護師として活躍する日も遠くないようです。ただね、仕事中に学校の宿題やるのは止めなはれ。しかも、客の私にやらせるな(苦笑)

コメント (2)
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