ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

「票田のトラクター」 ケニーー鍋島/前川つかさ

2008-12-24 12:17:45 | 
十代の頃の、学生運動の挫折を間近に見て以来、政治からは距離を置くようにしている。

失望が強かったせいでもあるが、過度な思い入れに引き摺りこまれる危険性を警戒したせいでもある。ただ、無関心ではいられない。だから、選挙にだけは必ず行くようにしている。小さな一票ではあるが、自分なりに意思表明はしたい。少なくもと、自分の一票なんて無駄さとニヒリズムに逃げることはしたくない。

ただ、税務の実務に就くと、やはり政治の不備は非常に気になる。声を上げねば、現場知らずの官僚たちの言いなりになってしまい、困った事態に陥る実情を散々見ているからだ。

そんな時、役に立つのはやはり政治家であるのは確かだ。政治家の耳を傾かせるには、やはり札束の音色が一番届く。私は役に立たない努力は嫌いなので、実効性のある手段を選びたい。だからこそ、政治献金の有効性を信じている。

ただ、私一人の財力なんざ、多寡が知れている。だから税理士政治連盟を通じた献金に便乗する。一口数千円程度でも集まれば、それなりの力を持つのが現実だ。実際、政治献金団体の上位十傑に入る団体だけに、政治家も無碍にはしない。

やはり、金の力は有効だといわざる得ない。

政治を題材にとった漫画は幾つもあるが、その政治献金の実情を描いた漫画は、表題の作が初めてだと思う。これは生々しく、きっと実際にあることをモデルにしているのだと確信できる内容だった。

週刊ポスト誌に長く連載されていたので、眼にした方も多いと思う。出来るなら、単行本で読んで欲しい漫画です。リアリティという意味で、これほど政治をなまなましく描いたものは、そうはないと断言できるズラ。(@筒井五輪)
コメント (2)
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