余計なことを考えないのが、この映画を楽しむ秘訣だ。
とにかく考えない。何故、あんな小さなヘリコプターで巨大人型ロボットを運べるのかなんて考えない。ワイヤーロープを切り離してロボットを落下させれば、その反動でワイヤーロープが跳ね上げり、ヘリコプターにぶつかる可能性なんて考えてはいけない。
怪獣の攻撃で百メートル以上跳ね飛ばされた以上、ロボット内部には相当な衝撃があるはずだが、それを平然と受け止める内部の操縦者のことなんて考えてはいけない。
怪獣の姿がポケモンのクリムガンやキュレムそっくりでも、パクッたなどと騒いではいけない。命の壁とやらが漫画「進撃の巨人」からのパクリだなんて思ってもいけない。
ちなみにこれがクリムガン。
ロボットの怪力パンチを受けても倒れないほどの頑丈な体躯の怪獣が、いきなり羽根を生やして飛んでも疑問を抱いてはいけない。ましてや、ロボットを抱えたまま1万メートル以上の高空に飛んでも、何故できるなどと考えてはいけない。
そのロボットが空飛ぶ怪獣を切り裂き、落下というより墜落したからといって馬鹿にしてはいけない。いくらジェット噴射で墜落するスピードを落としても、無傷で地上に降り立つことに疑問を感じてはいけない。
とにかく10分に一度は、思わず突っ込みたくなる場面がある。でも、我慢だ。突っ込んではいけない。なにも考えず、ただ、ただ怪獣とロボットのファイトを楽しむ。絶対に理屈とか、論理的矛盾とかを考察していけないのだ。
なにも考えるな。そうすれば、この映画は楽しめる。この我慢が出来ない人は観てはいけない映画でもある。
え!私ですか。
はい、笑顔を引きつらせがら楽しみましたよ。ちなみに同行した小学生の男の子は、なんと3回目。映画の後で散々、突っ込んでいたけど、その笑顔は実に嬉しそうでしたね。
大人が目くじら立ててはいけない映画なんだと思いますよ。で、子供の気持ちになって素直に怪獣とロボットのリアルバトルを楽しむ。これが正しい鑑賞法だと確信しております。