ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

四日間の奇蹟 浅倉卓弥

2013-09-10 15:46:00 | 

降りるべき駅に着いてしまったのを恨むくらいの面白さがある。

私の読書はもっぱら電車の中であることが多い。この本を読んでいる最中、私は何度降りることを躊躇っただろうか。そのくらい、読み続けたいと思った本に出会えることは稀だ。

ありそうで、ありえないからこその奇蹟。願っても叶えられぬものが、目の前に現れた奇蹟。もう諦めていたはずのものが、今目の前にある奇跡。わずか四日間、たかが四日間のなかでの奇蹟。

多くの人が気が付かない奇蹟であり、わずかな人だけが生涯忘れる事の出来ない奇蹟。それが目の前に突如繰り広げられる四日間。まるで流れ星のように、さっと現れて、痕跡さえ残さず消えていく奇蹟。

偶然ですが、私がこの本を読むのに要した日数も四日間。その気になれば二日程度で読めた気もしますが、意地になって電車内での読書に拘ったので、四日かかった次第。400頁を超す大作ですが、この美しい流れ星を観たような爽快な読後感は稀だと思うので、機会がありましたら是非ご一読を。

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