ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

PLANES2

2014-08-07 11:59:00 | 映画

決して褒められた話ではないが、私はけっこう手を抜く子であった。

とにかく全力を出さない。特に強要された場合は、ほぼ確信犯的に手を抜いた。ただし、自分が納得した場合は別で、その時は全力で走り、吐くまで走り、痛みを無視して走りきった。

納得するには、相応の理由なり、根拠が必要となる。岩壁で動けずにいる後輩を助けるためにフリーソロで登った時や、足をくじいた仲間を搬送するために、必死で下山した時などは、翌日になって激しい筋肉痛に襲われるほど頑張った。

必要ならば全力を出す。そう、勝手に決めていた。嘘じゃない、嘘じゃないけど、今なら分かる。嘘が7割だと。

本当は自分が苦しいのが嫌いだった。激しい呼気で胸が痛くなるのが浮ゥった。7歳の時の健康診断で云われた心雑音を、訳も分からず恐れていたのは事実だ。しかし、今なら分かるが、それは言い訳だった。

苦しいことに耐えるのが苦手なだけだ。あと一歩を踏み出す勇気に欠けていただけだ。それが嘘が7割の真実だと今なら分かる。

自分で勝手に妄想していた心臓発作だが、本当に発作を起こすほど頑張ったことはない。

やるべきだった。徹底的に体を苛め抜き、倒れるほどに鍛えるべきであった。皮肉なことに、その必要性に気が付いたのは難病で身体を、どうしようもないほどに壊してからだった。

もう出来なくなって、ようやく、それが必要であったことに気が付いた。そして、今なら分かる。自分で勝手に作った壁を超えるためには仲間が必要だと。一人では乗り越えられなくても、仲間がいれば出来る。

表題の映画は、子供向けではあるが、私は子供の頃の悪い癖を思い出してしまい、複雑な気分で映画館を後にした。映画自体は楽しかったですし、別に不満があるわけでもない。

ただ、自分の情けなさ、至らなさを思い出してしまった。私にもチャンスはあった、あったはずだ。それを活かせなかった自分が悪い。

子供向け映画ってやつは、時折心の奥底に隠してあった秘密の箱を開けてしまう。それが楽しいこともあるのですが、今回は厳しかった。映画自体はとっても良かったのですがね。

コメント (3)
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